引火点・発火点測定 (JIS K7193・ISO 871・ASTM D1929)

高温空気炉を用いたプラスチックス(固体)の引火温度及び自然発火温度の測定
(JIS K7193、ISO 871、ASTM D1929)

従来は、固体用の引火温度・発火温度を測定する装置がなかったため、液体用の装置を転用して測定していました。液体用は試料を粉末化したり、最大温度にも制限がありました。
今回導入した装置は、JIS K7193, ISO871, ASTM D1929に準拠しており、ペレット、フィルム状態のプラスチックの引火温度・自然発火温度が測定できるようになりました。

引火点・発火点試験機 写真1 引火点・発火点試験機 写真2 @高温空気炉本体
Aデジタル記録計
B高温空気炉制御装置
C高温空気炉内部
D試料皿


引火温度 (FIT:Flash-ignition Temperature)

口火を用いて瞬間的に着火させるのに十分な可燃性ガスを放散するときの最低温度

自然発火温度 (SIT:Spontaneous-ignition Temperature)

試験皿に入れた試料が炉内で、火種(口火)なしの状態で自然に発火する最低温度

試験片 ペレット、または粉体 3±0.2g
シート材料(20±2×20±2mm以下のものを重ねて試験) 3±0.2g
フィルム材料(幅20±2mm×必要な長さ) 3±0.2g
発泡材料(20±2×20±2×50±5mm) ブロック状 重さ規定なし
測定に最低限必要な試験片は50g程度です。
状態調節 23±2℃、50±5%RH×40時間以上

測定方法

高温空気炉の断面図

高温空気炉の断面図
  1. 炉内の断面を通過する空気の流速を25mm/sに設定する。
  2. 高温空気炉内を引火温度または発火温度が予測できる温度に設定する。
  3. 高温空気炉内が設定温度に達したら、試料皿に規定量の試験片を入れる。
  4. 10分間、設定した温度で高温空気炉内の試験片を保持し、口火の変化の目視及び、T1の急激な温度上昇を引火温度とし、観察したT2の最低値を引火温度として記録する。
  5. 口火は用いずに、10分間設定した温度で高温空気炉内の試験片を保持し、炉内で自然発火し、T1の急激な温度上昇を発火温度とし、観察したT2の最低値を発火温度として記録する。

T1:高温空気炉内(試料皿上)に設置された熱電対
T2:高温空気炉内(試験皿下)に設置された熱電対

液体対象の引火温度・発火温度測定規格

引火温度の種類 引火温度の試験方法 規格番号 適用基準
密閉式引火温度 タグ密閉式 JIS K2265-1
ASTM D56
引火温度が93℃以下の石油製品
セタ密閉式 JIS K2265-2
ISO 3679
ASTM D3278
D3828
引火点が−30〜300℃の石油、塗料、ワニス、塗料バインダー、接着剤、溶剤、FAME
ペンスキーマルテンス密閉式 JIS K2265-3
ISO 2719
ASTM D93
引火点が40℃を超える可燃性液体、固体懸濁物を含む液体、表面に薄膜が出来やすい液体
開放式引火温度 クリープランド開放式 JIS K2265-4
ISO 2592
ASTM D92
引火温度が79℃以上を超える石油製品
発火温度 ASTM E659

液体状の試料

引火温度・発火温度の例 (文献値)

材料名 引火温度
(℃)
発火温度
(℃)
ポリスチレン 360 495
ポリエチレン 340 350
ポリメチルメタアクリレート 338 486
スチレンアクリロニトリル 366 455
スチレンメチルメタアクリレート 330 486
ポリアミド6 413 439
ウレタンフォーム 310 415
ポリエステルガラス繊維積層 398 486
メラミンガラス繊維積層 475 623
フェノール紙繊維 429