鉛筆硬度 -Pencil Hardness-
(JIS K5600-5-4・ISO15184・ASTM D3363)

鉛筆硬度測定

鉛筆の芯を試料表面に押付けて動かし、傷付きの有無により試料の引っかき硬度を鉛筆の芯の硬さ(6B〜HB〜6H)で表す。 本試験は、塗膜のひっかき硬度を対象としているが、プラスチックの表面硬さの評価方法としても用いられている。

機械法

図のような車輪つきブロックに鉛筆を斜め45度でセットし、試料表面を走行させる。

装置仕様

鉛筆先端の負荷荷重 750±10g
使用鉛筆 三菱鉛筆Uni(軟←6B〜HB〜6H→硬)
鉛筆の芯の調整 木部だけを削り、芯は削らずに円柱状に保つ。先端は、90度の角度を保ち研磨紙で研磨し、平滑で円形の断面を得る。


測定方法

  1. 水平であることを装置付属の水準器で確認する。
  2. 0.5〜1.0mm/sの速度で、少なくとも7mmの距離を走行させる。
  3. 評価:傷または圧痕が付いた場合は、鉛筆スケールを軟らかくし、傷跡が付かない鉛筆スケールを探す。逆に傷または圧痕が付かない場合は、鉛筆スケールを硬くし、傷跡が付く鉛筆スケールを探す。

    鉛筆硬度の定義:傷跡が付かない最も硬い鉛筆スケールで、2回とも同じ結果が得られるまで測定を続ける。

手かき法

現規格では手かき法を認めているが、望ましくは機器法を強く推奨している。
当たりをつけるには、手かき法が簡便である。



測定例


セット 硬←                    →軟 鉛筆硬度
H F HB B
1 ×× ×× ○× ○○ HB
2 - - ×○ -
3 - - ○× -
4 - - ○○ -
○…傷つかない, ×…傷つく

試験は2回繰り返し、2回の判定が異なる場合は、試験をやり直し、傷がつかない硬さまで硬度スケールを下げていく。
測定例では、1セット目がHから測定し2回の判定が×(傷がつく)だったので、スケールをF→HB と軟らかくしていった。HBでは○×となったため、Bを測定し○○となったためB以上は確定したが、HBで2回の判定が異なったため、この結果を放棄し、試験をやり直した。 2、3セット目も異なり、4セット目で2回の判定が○(傷つかない)に揃い、評価(傷がつかない硬さ)は「HB」となった。

プラスチックの標準的な鉛筆硬さ

ほとんどのプラスチックはHB以下であり、ポリエチレン等は4B〜6Bの軟らかい素材が多い。それに対して、アクリル樹脂は、H〜2Hの鉛筆硬さに属するグレードが多い。
最近はコーティング技術が発達し、コーティングにより6H以上の評価になるものがある。
例えば、自動車の樹脂製ランプカバー(ポリカーボネート樹脂の利用)や、携帯電話や携帯音楽プレイヤーに代表される高機能ディスプレイ用途には、コーティングを行い耐傷付き性を改良しているものが多い。