熱伝導率

熱伝導率とは

熱伝導率は、フーリエの法則に従った熱移動現象の評価する指標です。温度差のある二つの熱源に接した物体は、しばらくすると温度勾配が定常状態になります。このときに流れる熱量(熱流)は温度勾配に比例します。(式 1)そして、この定数λが熱伝導率と呼ばれ、高分子の分子運動性や分子配列などと強い相関性があります。

 
 
 
熱拡散率

熱伝導率の対極に熱拡散率があります。物体のある面に急激な温度変化を加えたときに、あたかもその温度変化が物体全体に拡散していくように見えます。このときの物質内の温度分布は熱拡散方程式で表されます。(式 2)そして、この定数αが熱拡散率と呼ばれます。これは、温度が伝わる速さを決定する係数です。

 
 

なお、熱伝導率と、熱拡散率は、密度(ρ)および比熱(Cp)を用いた式で表されます。(式 3)

 
 
熱抵抗値

実際の断熱材など、気泡を含んだり、粒子の分散があるような材料系では熱移動現象がいろいろな因子の複合の結果として現れ、熱伝導率、熱拡散率として測定されます。そのため、試験片の厚さに依存する見かけの熱伝導率を測定していることになります。そこで、見かけの熱伝導率を試験片の厚さで割った値を熱コンダクタンス、その逆数を熱抵抗と定義し、断熱材料の熱伝導性を評価する指標として用います。

円板熱流計法(ASTME1530)

定常比較法とも呼ばれる測定法で、ASTME1530では保護熱流計法と表記されます。この測定法では、熱伝導率が既知の参照試料を同時測定し、熱量の絶対値測定を行なわずして、正確な熱伝導率を測定する方法です。

試験片の上下にはおよそ30Kの温度差で定常状態になるようにヒーターと、基準熱量計が密着し、試験片両端の温度差と、基準熱量計の出力から、熱伝導率を求めます。

UNITHERM™ 2021(ANTER社製)

UNITHERM™2021は、ASTME1530準拠の熱伝導率測定機です。測定機の試験部の構造は図のようになっています。なお、保護ヒーターは、試験片円周方向への熱の拡散による測定誤差を防ぐためのものです。測定は、試験片両端の温度差と、標準熱量計の出力から熱抵抗(Rs)を測定し、試験片厚さを係数とし、熱伝導率(λ)を算出します。(式4)試験片形状は、φ50mm(2in)の円板またはフィルムでなければなりません。試験片厚さは、材料の熱伝導率によりますが、おおむね2mm〜20mmであることが望ましく、熱伝導率の高い試験片やフィルムなどの場合は2〜9枚重ねて測定を行います。

測定可能範囲は、23℃〜300℃で、指定した各測定温度での熱抵抗から、熱伝導率・熱コンダクタンスが計算されます。試料の熱抵抗によりますが、±3〜±8%の精度で、熱伝導率が測定できます。熱抵抗の検出限界は、0.0005m²K/Wです。

 
測定費用 (1水準) 室温〜300℃ 25,000円
追加温度 5,000円 (100℃をまたがない場合)
10,000円 (低温→高温、100℃をまたいだ場合)
 
 

また、定期的に、熱伝導率が既知の物質4種(StainlessSteel、Pyrex、Pyroceram、Vespel)を用いた較正を行い、再現性のあるデータをご提供します。

その他

熱伝導率の測定方法には以下のようなものがあります。

  • 定常法
  • 定常絶対法
  • 非定常法
  • 熱線法
  • プローブ法
  • レーザーフラッシュ法
  • ACカロリメトリー法
  • 光音響効果法
  • 交流通電加熱法
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