高分子の構造解析、分子量測定、組成分析の他、熱分析、レオロジー等の熱的特性、重金属をはじめとする各種元素分析、溶出試験、その他の各種分析試験を行うサービスです。また、長年のノウハウを活かし、各種配合材料 (コンパウンド、電子材料、塗料、接着剤等) の成分分析・全組成分析を行います。RoHS規制物質や成形品からのアウトガスの分析にも対応しています。
分子量測定
GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)分析 | ポリマー、オリゴマーの相対平均分子量及び分子量分布を測定します。有機溶媒(THF、クロロホルム、DMF、トルエン、HFIP、水等)に可溶なポリマーが対象となります。 |
溶液粘度 | 極限粘度の測定から粘度平均分子量が求められます(ナイロン、PET、PC等)。 |
構造解析
FT-IR分析 | 得られたスペクトルから、ライブラリー検索や他の分析手段と併用することで、高分子材料や有機化合物の同定を行います。 |
末端基・官能基分析 | 中和滴定法・電位差滴定法によりポリマー中の官能基(COOH基、OH基、NH基、エポキシ基等)濃度を定量します。※エポキシ当量・全アミン価についてはISO/IEC 17025の認定試験も承ります。 |
組成分析
GC-MSによる定性・定量分析 | ポリマー中の残存モノマー、残留溶媒等を熱抽出(TDS法)又は溶媒抽出し、GC-MSによる定性・定量分析や、HPLCによる定量分析を行います。 |
共重合体組成(Py-GC-MS分析) | パイロライザーを用いて、ポリマーを熱分解し、その分解ガスをGC-MS分析することで、共重合体を構成するモノマー種を推定します。 |
熱特性
示差走査熱量分析(DSC) | 融点・結晶化温度・ガラス転移温度の測定、 融解熱量・結晶化に伴う転移熱量の測定、結晶化度・比熱の測定など熱分解温度等の熱分解挙動を測定します。 |
熱機械分析(TMA法) -通常測定(圧縮・引張・針入モード) |
ガラス転移温度, 熱膨張率,線膨張係数を測定します(引張モード・圧縮モード・ぺネトレーション)。 |
熱機械分析(TMA法) -湿度制御測定 |
通常のTMAは温度依存性で単位は(1/℃)ですが、湿度制御TMAは吸湿性のある材料(フィルム等)を対象として、膨張率(収縮率)の湿度依存性を測定します(単位は1/%RH)。 |
熱重量・示差熱量同時分析(TG/DTA) | 融点・結晶化温度・ガラス転移温度の測定、 熱分解温度(開始・終了)の測定や残渣分の定量・回収を行います。 |
比熱容量(DSC法) | JIS K 7123(プラスチックの比熱容量測定方法)に基づいて、DSCを用いて比熱を測定します。 |
熱伝導率 | 熱伝導率は、フーリエの法則に従った熱移動現象を評価する指標です。温度差のある二つの熱源に接した物体は、しばらくすると温度勾配が定常状態になります。このときに流れる熱量(熱流)は温度勾配に比例しています。測定法としては、温度傾斜法、円板熱流計法、熱線法、交流定常法があります。 |
軟化・ぜい化 | JIS/ISO/ASTMに準拠した各種熱物性試験。荷重たわみ温度(DTUL、HDT)、ビカット軟化温度(VST)、ボールプレッシャー温度(電気用品B法、BPT)、ゴム・プラスチック材料のぜい化温度。 |
粘弾性
動的粘弾性(DMA測定) | 固体試料についてレオロジー測定を行います。周波数一定の温度掃引モードまたは温度一定の周波数掃引モードで貯蔵弾性率、損失弾性率、ガラス転移温度などを測定します。固体材料のレオロジーを測定します。 測定は、①引張モード(JIS K 7244-4 t=1mm以下)、②曲げモード(JIS K 7244-5 w10×L50×t2~3mm)、③ずりモード、④圧縮モードが可能。 |
動的ずり粘弾性(レオメータ測定) | 回転型のレオメータを用いて、溶液・融液・分散体のレオロジー測定を行います。樹脂のガラス転移温度~溶融時の粘度、熱硬化挙動、定常流粘度、固体のねじり振動、引張、圧縮等の測定が可能です。 |
溶液・融液特性
キャピラリーレオメータによる溶融粘度測定 | ・JIS K 7199, ISO 11443 |
キャピラリーレオメータによる溶融張力(メルトテンション)測定 | キャピラリー(ダイス、オリフィス)から突出されたストランドをプーリー状のロードセルを介し、溶融樹脂の張力を測定します。 |
回転粘度 -レオメータ(せん断速度掃引) |
回転粘度計より、広いせん断速度範囲、温度範囲で、液状、乳濁状又は分散状の樹脂、塗料、接着剤、モノマーなどの粘度を測定します。 |
回転粘度 -コーンプレート形粘度計(E型粘度計)・B形粘度計 |
液状、乳濁状又は分散状の樹脂、塗料、接着剤、モノマーなどの粘度を測定します。 |
PVT特性 | 冷却時の挙動変化[P(圧力)-V(体積)-T(温度)]を測定し、流動解析、金型設計のシュミレーションデータとして利用します。 |
MFR・MVR | 静的荷重による流れ性を測定します。メルトフローレートMFRはg/10min、メルトボリュームレートMVRはcm³/10minになります(JIS K 7210、ASTM D1238)。 |
形態観察
SEM観察 | 試料の表面や断面の観察、X線分析による元素分析やマッピングが行えます。 |
光学顕微鏡観察 | 試料の状態を拡大観察します(倍率 10~500倍)。拡大での寸法測定が可能です(XY, 最小読取量 0.5μm)。 |
偏光顕微鏡観察 | 偏光を利用して、試料の状態を観察します(倍率 40~400倍)。 |
表面特性
接触角・表面張力 | CCDカメラで撮影した液滴画像をデジタル化し、接触角測定、液体の表面張力測定および個体の表面エネルギー解析を行います。 |
表面粗さ | JIS B 0601に準拠した接触式の表面粗さを測定します。算術平均粗さ(Ra)、最大高さ粗さ(Rz)等が測定可能です。 |
含有元素分析
蛍光X線分析 | 試料に含まれる元素の非破壊分析です。RoHS規制 有害元素のスクリーニング分析にも対応化しております。 |
ICP-AES分析 | 試料に含まれる金属元素の定性・定量分析します。金属元素を主とする約70元素の分析が可能です。 |
EDX分析 | SEM画像観察に併せて、画像のあるポイントの元素分析(ホウ素~ウラン)や元素マッピングが行えます。 |
イオンクロマトグラフィー(陰イオン分析) | 自動燃焼装置と連動した陰イオンクロマトグラフ(装置)を用いて、ゴム・プラスチック・繊維などの高分子材料に含まれる元素を分析します。 |
一般分析
吸水率 | 24h乾燥した試料を、任意の温度×時間について蒸留水(精製水)中に浸漬し、前後の質量変化から吸水率を算出します。JIS K 7209等。 |
水分含有率 | JIS K 7251-B法(プラスチック-水分含有率の求め方、水分気化法、カールフィッシャー水分計使用)による試料中の水分含有率の測定を行います。 |
密度・比重 | JIS K 7112-1に準拠した、水中置換法またはピクノメータ法による密度・比重測定。対象材料は固体の成形品やシート、液体の樹脂原料等。 |
繊維含有率 | FRP試料中の繊維質量含有率、繊維体積含有率および空洞率を測定します。GFRP、CFRPを対象とし、3つの試験方法(燃焼法、硝酸分解法、硫酸分解法)に対応できます。 |
安全性
RoHS規制物質 | RoHS、ELV規制物質(元素)の分析です。 |
アウトガス -TDS法(加熱脱着法) |
成形材料等の試料の加熱時発生ガス、残存溶媒・モノマーの定性・半定量分析を行います。 |
溶出分析 | 種々の溶媒に試料を浸漬し、溶出した成分の定性や定量分析等を行います。 |
分析前処理
分析前処理(分離・抽出・濃縮・精製・洗浄) | 弊社の各種分析サービスに関して、必要に応じて前処理(抽出や濃縮等)から承ります。 |