高分子分析

未反応モノマー・残留溶媒(GC-MSによる定性・定量分析 HPLC分析)

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GC-MSとはGC(ガスクロマトグラフィー,Gas Chromatography)とMS(質量分析,MassSpectrometry)を直結させた分析装置で、揮発成分混合系に対して優れた分離能を有するGCと定性・構造決定に威力を発揮するMSの特長を活かした分析システムとなっております。

高分子分析への応用例
・高分子材料に含まれる添加成分の分析
溶媒抽出などの前処理で得られた抽出液をGC-MS分析し、酸化防止剤等の添加剤や残存溶媒の定性・定量が可能です。
  
・熱分解GC-MSによる高分子材料の組成分析
試料導入系に熱分解装置 (パイロライザー) を取り付けて高分子材料を熱分解させ、そこで発生した成分を分析することで、もとの高分子の組成や微細構造を解析することができます。この場合、熱可塑性樹脂や複合材料のほか、熱硬化性樹脂の分析も可能です
 
このほか、以下のような分析ができます。
・分子量の測定 (1,100以下)
・有機化合物の同定及び構造推定
・定量分析

GC-MS

原理試料を熱分解させ生じた混合揮発成分を、移動相を気体としたカラムに通し、固定相であるカラム壁面と、成分ごとの親和性の差を利用し、分離する。
分離した成分を、直接またはキャリヤーガスをのぞき濃縮してMSへ導きイオン化させ、 生成された分子イオンおよび分解イオンのマススペクトルを測定する。
これらのデータからマスクロマトグラフィー(定性分析)、マスフラグメントグラフィー(定量分析)などを行う。
装置Agilent社製 5975 inert GC/MSシステム

測定例

熱分解GC-MSを利用した、市販ポリマーの分析例を示します。
 
【市販熱可塑性ポリウレタンの熱分解GC-MS測定例】
分析の結果、フラグメントとして、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,4-ブタンジオールが検出されました。このことから、このポリウレタンはPTMG(ポリテトラメチレングリコール)とジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を重合させた、ポリエーテル系ポリウレタンであることが推定されます。

市販熱可塑性ポリウレタンの熱分解GC-MS測定例

【市販PMMA(ポリメタクリル酸メチル)樹脂の熱分解GC-MS測定例
分析の結果、モノマーであるMMA(メタクリル酸メチル)が主として検出されましたが、MA(アクリル酸メチル)も数%検出されました。このMAは解重合防止のためにMMAと共重合させているものと推定されます(MMAのみのポリマーは解重合しやすいため)。また、微量ですが、オクチルチオールも検出されました。これは連鎖移動剤(重合時に分子量調整のために添加)であると推定されます。

市販PMMA(ポリメタクリル酸メチル)樹脂の熱分解GC-MS測定例

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