二軸延伸
逐次二軸延伸は大掛かりな装置となるため実機でのテストはハードルが高く、材料評価など基礎実験には小スケールテストが可能なラボ用のフィルム二軸延伸機が有効です。
DJKでは、小型Tダイ押出で原反となる未延伸フィルムを作製し、最大3.5倍(□40→ □145)の延伸が可能なラボ機を用いて同時二軸、逐次二軸といったフィルム延伸試験を受託します。ラボ用延伸二軸延伸機の外観は以下の通りです。
装置名 | 二軸延伸機 IMC-1AA6型(井元製作所製) |
延伸方法 | 5チャックスライド式(ワンタッチクランプ方式) ①X軸-Y軸同時延伸 ②X軸延伸後-Y軸延伸(逐次モード) ③X軸延伸のみ(一軸延伸) |
延伸範囲 | チャック内角□40→ □145 (約3.5倍) |
槽内温度 | MAX 400℃ |
延伸速度 | 0.1~120 mm/min |
延伸は熱可塑性フィルムをガラス転移温度以上で引き延ばし分子を配向させるプロセスで、以下の特性を付与することができます。
1. 薄膜化・寸法安定性確保
2. 熱的改質 … 耐熱・耐寒性向上, 加熱収縮性(シュリンク性)付与
3. 光学的改質 … 透明性・光沢の向上, 偏光特性付与
4. 機械的強度向上… 引張り強さ・衝撃強さの向上
5. その他 … 微細孔付与:通気性付与,イオン透過性付与
延伸には縦延伸と横延伸があり、繊維の場合は縦方向のみの一軸延伸となりまが、フィルムでは縦横2方向の二軸延伸が行われます。二軸延伸には、縦延伸と横延伸を順次、行う逐次二軸延伸法、一度に行う同時二軸延伸法の2種類があり、前者が一般的な方法です。さらに、逐次二軸延伸法はチューブラー法とテンター(Tダイ)法があり、フィルム延伸にはテンター法が多く採用されています。
Tダイ単軸押出機(ダイス幅150mm)
フィルム引取り装置
☆ラボ用二軸延伸機を用いた評価事例についてはこちら(PDF)