高分子加工性

超臨界発泡成形(MuCell®)の評価

PDF版はこちらをご参照ください。

●高分子材料の発泡成形

化学発泡 熱分解や化学反応でガスを発生する物質を発泡剤(化学発泡剤)として用いる。無機系、有機系があるが、有機系発泡剤が主で、ポリウレタンフォームや発泡ゴムなどで多用されている。押出成形や射出成形でも使用されるが、化学発泡剤が押出機内で分解してしまうため、高倍率の発泡は難しい。
物理発泡 ブタン、窒素、二酸化炭素などの高温高圧下で気体となる物質を発泡剤(物理発泡剤)として用いる。加圧状態で発泡剤を樹脂に注入し溶解させた後、物理的変化(気液相分離)により気泡を発生させる。押出機やオートクレーブが必要。超臨界発泡やビーズ発泡(EPS)も物理発泡に分類される。

 

●射出発泡成形の分類

ショートショット法 金型キャビティ容積よりも少ない量の発泡性溶融樹脂を充填し、気泡の拡大によって充填を完了させる方法。
フルショット法 金型のキャビティ容積に等しい量の発泡性溶融樹脂を充填し、固化収縮分を気泡の発生・拡大により補う成形方法
コアバック法 ムービングキャビティ法とも呼ばれ、キャビティ容積が可変である金型を用いる。発泡性溶融樹脂を充填する際にはキャビティ容積を小さくしておき、充填後にキャビティ容積を拡大することで積極的に気泡発生,拡大を促進させる成形方法

 

●超臨界流体とは…

超臨界流体(SCF:Supercritical Fluid)は、臨界温度・圧力以上で気体と液体の両方の性質を持つ流体です。低粘性、高拡散性で液体溶媒より物質移動の面で有利であり、圧力変化のみで大きな溶解度差を得ることができます。

超臨界流体の図
  1)化学工学会 超臨界流体部会HPより引用

●超臨界流体を用いるメリット

・溶融した樹脂に超臨界流体が溶解することで粘度が低下する
・気泡の拡大が充填性を向上させる

●期待される効果

a) 軽量化、充填量低減、微細発泡
b) 薄肉化、型締力低減
c) ソリ・ヒケ解消、成形サイクル短縮、寸法精度向上
⇒ 固化収縮と気泡成長が相殺(保圧なし) される

●超臨界発泡プロセス(物理発泡)

① 超臨界流体(発泡剤)の注入
② 溶融樹脂との混合(2相混合)
③ 単一相の形成(発泡剤が樹脂に溶解)
④ 急激な圧力変化による気液相分離(発泡体の形成)

●MuCell®射出成形システムの概要

SCFの特性を活用した超臨界発泡成形は、1980年台に米国MITが基本的な技術を確立し、現在はトレクセル社が「MuCell®」の名称でライセンス事業を行なっています( MuCell®の基本構成は以下)。
a) 専用のシリンダーと2段構成のスクリュ(可塑化後 SCF注入・混練)
b) SCF発生装置と注入装置(インジェクター)…ガス昇圧とバルブ注入
c) SCF注入ソフト … 注入量は開閉時間で制御

システム

射出成形機の写真

●超臨界発泡成形の評価試験を受託します

1. ご依頼者の製品金型を用いた成形試験(立会い可)
2. DJK保有金型による成形試験(立会い可)
1) 試験片金型を用いたショートショット法による発泡成形
2) 同上 フルショット成形(ヒケ・ソリ、寸法精度、成形品外観)
3) コアバック成形 (発泡倍率1.5~2倍程度、最大6倍まで可)

●テスト用金型

コアバック金型 形状:□150mm平板, 初期厚さ約1.2mm,コアバック可動距離は最大8.5mmまで(コアバック後厚さは最大10mm) 平板成形
試験片金型 形状:多目的試験片(JIS K7139タイプⅠ) エジェクターピンを介して圧力センサー取付け ⇒ キャビティ内最大圧力および経時変化の測定 多目的試験片
製品形状の金型 携帯電話の筐体金型による発泡成形
⇒ 成形品外観の確認
携帯電話の筐体
スパイラル
フロー金型
流動長の測定 スパイラルフロー

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