高分子耐久性

紫外線蛍光ランプウェザー試験(QUV)

概要

紫外線蛍光ランプウェザー試験は、紫外線照射と暗黒での結露サイクルを繰返すことにより劣化を促進します。3種類のランプが存在し、UVA-340ランプは紫外線(UV-B;280 nm~315 nm、UV-A;315 nm~400 nm)領域において、太陽光の分光エネルギー分布に近似していることから、屋外暴露試験の再現によいとの考えで普及しています。またUVB-313ランプは通常観測される分光分布よりも短波長の紫外線を利用しており暴露をより促進させますが、同時に屋外暴露では起こりえない現象を生じる可能性もあります。

紫外線蛍光ランプウェザー試験機(QUV)の仕様

放射照度及びブラックパネル温度は常にモニターしコントロールが可能です。
水噴霧(噴霧中は暗黒)をサイクル中に組込むことも可能です。

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表1  紫外線蛍光ランプウェザー試験機について
使用機器 Q-LAB社製 QUV/SPRAY/RP
光源 UVB-313、UVA-340、UVA-351
最大放射照度 UVB-313:1.23 W/m2 (310 nm時)、UVA-340:1.55 W/m2 (340nm時)、UVA-351:1.55 W/m2 (340 nm時)
温度範囲 BPT:45~80 ℃ (照射時)、 BPT:40~60 ℃ (結露時)
湿度範囲 湿度制御なし (結露時成行き)
推奨試料形状 150×75×厚さ4 mm以下 (製品形状などは別途ご相談)
ばく露面積 95×63 mm 最大48枚
規格 ASTM G154  JIS K 7350-3
試験項目 照射/暗黒(結露)、照射/表面スプレ(暗黒中降雨)/暗黒(結露)
評価項目例 外観・表面:目視、顕微鏡観察、グレースケール、色差、光沢度、黄変度、接触角
化学変化:酸化劣化(FT-IR)、分子量(GPC)、酸化誘導時間(DTA、DSC)
機械物性:引張強さ、伸び、衝撃強さ
塗膜物性:密着性、耐屈曲性
特徴 ・紫外領域において、太陽光の波長と近似する光源を使用
・ランプの品質安定に定評がある(高い再現性)

 

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計算式

放射照度とは、一定の面積上に入射する放射束のことで、通常はW/m2にて表されます。放射露光量とは、一定の時間中に特定の面積に入射する放射エネルギーのことで、通常はJにて表されます。

J/m2= W/m2×s

  J/m2: 放射露光量

  W/m2: 放射照度

  s : 秒

参考資料

表2 日本の太陽光の年間放射露光量
波長 (nm) 構成比 (%) 放射露光量 (MJ/m2)
300~400 6.8 306
400~700 44.6 2007
700~3000 48.6 2187
100.0 4500

※日本の太陽光の平均1年間放射露光量を4500 MJ/m2 とする(JIS D 0205 自動車部品の耐候性試験方法 参考2 試験時間より)。
またCIE Publication No.85 1st Edition(TC2-17) Table.4 AM1.0より、300~400 nm時の構成比を6.8 %とする。

表3 各促進試験のエネルギー強度比較
種類 (300~400 nm時) 時間 加速倍率
屋外曝露 8760 1
紫外線蛍光ランプ [49 W/m2] 1735 5
紫外線蛍光ランプ [85 W/m2] 1000 8
サンシャインウェザメータ [78.5 W/m2] 1083 8
キセノンウェザメータ [60 W/m2 1417 6
キセノンウェザメータ [180 W/m2 472 19
メタルハライドランプ [1000 W/m2 85 103

紫外線蛍光ランプ[49 W/m2]はASTM G154 Cycle1の0.89 W/m2(340 nm時)のデータを300 nm~400 nm時に変換した値とする。
紫外線蛍光ランプ[85 W/m2]はASTM G154 Cycle4、6、7の1.55 W/m2(340 nm時)のデータを300 nm~400 nm時に変換した値とする。

表4 各種プラスチックの吸収波長の例
プラスチックの種類 最大吸収波長 (nm)
PP 300
PE 300
PS 318.5
PVC 320
PVA 280
PC 280.5~305
330~360
AS 290
325
ポリエステル 325

参考文献) R.C.Hirt, N.Z.Searle: J. Appl. Polymer Sci., Symposia No.4, 61(1967)

表5 試験規格
規格 サイクルNo. ランプ 放射照度(W/m2) 制御波長(nm) 暴露サイクル ブラックパネル温度
(℃)
ASTM G154 1 UVA-340 0.89 340 8時間照射 60±3
4時間結露 50±3
2 UVB-313 0.71 310 4時間照射 60±3
4時間結露 50±3
3 UVB-313 0.49 310 8時間照射 70±3
4時間結露 50±3
4 UVA-340 1.55 340 8時間照射 70±3
4時間結露 50±3
5 UVB-313 0.62 310 20時間照射 80±3
4時間結露 50±3
6 UVA-340 1.55 340 8時間照射 60±3
4時間結露 50±3
7 UVA-340 1.55 340 8時間照射 60±3
0.25時間水噴霧 制御なし
3.75時間結露 50±3

※JIS K 7350-3はブラックスタンダード温度計で示されており、ブラックパネル温度計に置き換えても良いことになっている(両者の差は2 ℃未満と定義されている)。

 

 

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注)出典元;三洋貿易株式会社
ASTM G177デイライト(AM1.05 南面37度)と、UVB-313(促進暴露)、UVA-340(屋外暴露)、UVA-351(屋内暴露)の比較

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