高分子耐久性

キセノンウェザー試験

概要

キセノンウェザメータは、他の耐候性試験機のどの光源よりも、紫外線(UV-B;280 nm~315 nm、UV-A;315 nm~400 nm)領域および可視光線(400 nm~800 nm)領域において、太陽光の分光エネルギー分布に近似していることから、屋外暴露試験の再現によいとの考えで急速に広まりました。また、分光分布を崩すことなく、放射エネルギーを高くすることで試験時間を短くすることが出来ます。さまざまなインナーフィルタおよびアウターフィルタを組み合わせることにより、試験条件に合った分光分布を得ることができます。なお専用のパネルを使用して紫外部放射照度が太陽光の約3倍(180 W/m2)の強エネルギー促進試験が出来るようになりました。

仕様

非熱絶縁型のブラックパネル温度と熱絶縁型のブラックスタンダード温度は常にモニターしコントロールが可能です。さらに試験槽内温度と湿度も独立コントロール可能です。また、試料表面温度パネルで照射面温度を擬似的にモニターできます。

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表1 キセノンウェザメータについて
使用機器 ATLAS社製 Ci4000型
光源 6500 W水冷キセノンアークランプ
放射照度 340 nm:0.25~1.5 W/m2 300~400 nm:30~180 W/m2 420 nm:0.7~3.0 W/m2
温度範囲 BPT:40~110 ℃ BST:40~120 ℃ 槽内:40~95 ℃
湿度範囲 点灯中:10~75 %(温度による) 暗黒中:100 %まで
フィルタ種類
アウターフィルタ インナーフィルタ カット波長
屋外 タイプSボロシリケイト タイプSボロシリケイト 290 nm以下
屋内 ソーダライム タイプSボロシリケイト 310 nm以下
強エネルギー CIRAコートタイプSボロシリケイト タイプSボロシリケイト 290 nm以下
太陽光近似 石英 Right-Light 295 nm以下
推奨試料形状 140×70×厚さ4 mm以下 (製品形状などは別途ご相談)
ばく露面積 120×50 mm 最大65枚
規格 JIS K 7350-2 JIS D 0205 ASTM G155
試験項目 照射/照射+表面スプレ(降雨)、照射/照射+裏面スプレ(結露)
評価項目例 外観・表面:目視、顕微鏡観察、グレースケール、色差、光沢度、黄変度、接触角
化学変化:酸化劣化(FT-IR)、分子量(GPC)、酸化誘導時間(DTA、DSC)
機械物性:引張強さ、伸び、衝撃強さ
塗膜物性:密着性、耐屈曲性
特徴 ・紫外、可視光領域において、太陽光の波長と近似する光源を使用
・耐候性試験として世界の主流となりつつある

 

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計算式

放射照度とは、一定の面積上に入射する放射束のことで、通常はW/m2にて表されます。 放射露光量とは、一定の時間中に特定の面積に入射する放射エネルギーのことで、通常はJにて表されます。

J/m2= W/m2×s

  J/m2: 放射露光量

  W/m2: 放射照度

  S : 秒

参考資料

表2 日本の太陽光の年間放射露光量
波長 (nm) 構成比 (%) 放射露光量 (MJ/m2)
300~400 6.8 306
400~700 44.6 2007
700~3000 48.6 2187
100.0 4500

※日本の太陽光の平均1年間放射露光量を4500 MJ/m2 とする。(JIS D 0205 自動車部品の耐候性試験方法 参考2 試験時間より)
またCIE Publication No.85 1st Edition(TC2-17) Table.4 AM1.0より、300~400 nm時の構成比を6.8 %とする。

表3 各促進試験のエネルギー強度比較
種類 (300~400 nm時) 時間 加速倍率
屋外曝露 8760 1
紫外線蛍光ランプ [49 W/m2] 1735 5
サンシャインウェザメータ [78.5 W/m2] 1083 8
キセノンウェザメータ [60 W/m2 1417 6
キセノンウェザメータ [180 W/m2 472 19
メタルハライドランプ [1000 W/m2 85 103

キセノンはJIS K 7350-2の赤道地帯の太陽光を基準とし、全放射照度約1090 W/m2の6 %である60 W/m2が規定される。

表4 各種プラスチックの吸収波長の例
プラスチックの種類 最大吸収波長 (nm)
PP 300
PE 300
PS 318.5
PVC 320
PVA 280
PC 280.5~305
330~360
AS 290
325
ポリエステル 325

参考文献) R.C.Hirt, N.Z.Searle:J.Appl.Polymer Sci.,Symposia No.4,61(1967)

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注)出典元;;株式会社東洋精機製作所
アトラス社米国マイアミ本社(南面45度)と、タイプS/タイプSフィルタ(屋外仕様)、Right Light(太陽光近似)の比較

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