新規材料の基本物性の評価から、製品の品質管理に至るまで、各種の物性評価が可能です。弊社の主要測定機器は定期的な校正により常にトレーサビリティが取れており、各種規格準拠の試験 (JIS,ISO,ASTM) に対応しています。また、評価対象と目的に合致した評価方法をご提案するなど、顧客目線で幅広く対応いたします。
力学特性(機械物性)
引張試験 | ・プラスチック・FRP:JIS K 7161-1~5(ISO 527-1~5)、ASTM D638、旧JIS K 7113、旧JIS K 7054、旧JIS K 7161、K 7162(2014/9廃止) |
デジタル画像相関法(DIC) | サンプルに塗布された表面のパターンの変形前後で追跡することで、非接触で3次元的にサンプルの変形やひずみ算出する方法です。 |
曲げ試験 | ・プラスチック・FRP:JIS K 7171(ISO 178)、ASTM D 790 |
圧縮試験 | ・プラスチックの圧縮試験:JIS K 7181(ISO 604)、ASTM D 695 |
せん断試験 -打抜きせん断試験 -FRP横せん断試験 -FRP層間せん断試験 |
打抜きせん断試験(JIS K 7214)は、円形ポンチ型のせん断ジグを用い、打抜き方式により硬質プラスチックを対象としてせん断強さ試験を行います。 |
せん断試験 -FRP±45°面内せん断 |
繊維強化プラスチックを対象として±45°引張法により面内せん断応力・ひずみを求めます(JIS K 7019, JIS K 7079)。試験片の繊維方向が引張方向に対して±45°になる様に加工した試験片を用います。CFRPではB法(レール法)も対応できます。 |
ダブルV-ノッチせん断法 | 「±45°引張法」では繊維方向が+45°と-45°の積層材(直交異方性材)しか試験できませんが、「ダブルV-ノッチせん断法」は、UD材、擬似等方材などの積層材でも面内せん断試験が可能です。 |
ポアソン比 -引張モード(直交ひずみゲージ) -圧縮モード |
引張モードは硬質プラスチック材料を対象とします。試験片平行部の中央に直交ひずみゲージを貼り付けて、引張モードでひずみを計測し、横ひずみ/縦ひずみからポアソン比を求めます(JIS K 7161, ASTM D 638)。 |
ポアソン比 -二軸ビデオ伸び計 |
ひずみゲージを貼り付けてのポアソン比測定ができない材料(ゴム、フィルム、エラストマー等)は、非接触式ビデオ伸び計を使用して測定が可能です。 |
引裂き -トラウザー -直角形 |
引張試験機を用いて、試験片を上下に引裂いて測定する方法です。試験片形状により以下の2種類の方法があります。 |
引裂き -エルメンドルフ |
試験片中央に切込みを入れ、扇型の振り子を開放し引裂く方式。32N以下の引裂強さに対応します。引裂き強さが極めて低い試料はフィルムを重ねて測定可します(最大16枚重ね可/JIS K 7128-2,JIS P 8116)。 |
突刺し強さ | フィルム・シートにφ1.0mm(r=0.5mm)の針を突き刺し、針が貫通するまでの最大荷重を求めます(JIS Z 1707他)。 |
引張・圧縮ヒステリシス | 万能材料試験機を用いて、プラスチック・エラストマー・ゴム材料のヒステリシス損失を測定します。ヒステリシスの繰り返し(サイクル)設定も可能です。 |
衝撃強さ -アイゾット -シャルピー |
振り子式の衝撃試験の一種です。アイゾットは試験片の片端を固定し、通常はノッチの付いている方向から振り子を衝突させ、破壊時に吸収するエネルギーを算出し、材料の靭性を評価します。 |
衝撃強さ -引張衝撃 |
振り子式の衝撃試験の一種です。材料特性や成形形体(フィルム・シート等)でアイゾット・シャルピー衝撃試験の評価が出来ない場合にも適用します。種々の成形条件、試験片形状・温度で試験する事で、材料の典型的な衝撃挙動の把握が可能です。 |
衝撃強さ -デュポン衝撃 -落球衝撃 |
デュポン衝撃は、重錘落下による衝撃試験の一種です。JIS K 5600-5-3に規定された塗膜の強度を測定する試験方法です。撃ち型と受け台の間に試料を取り付け、おもりを規定高さから落下させます。この試験結果より試料が破壊する最小質量・高さを観測します。 |
押し込み硬さ(硬度) -ロックウェル |
試料に鋼球を介して一定の基準荷重を加え、次に試験荷重を加え、再び基準荷重に戻すことで得られた硬さの値です。 |
押し込み硬さ(硬度) -デュロメータ |
硬質・軟質プラスチックやエラストマー・ゴムを対象とし、試験片に規定の圧子を押し込んだ時のくぼみ深さから硬さを求めます(JIS K 7125, JIS K 6253-3)。 |
押し込み硬さ(硬度) -国際ゴム硬さ (IRHD) |
国際ゴム硬さはゴムやエラストマーを対象とし、接触力と合計押込み力による押し込み深さの差から求めます。 (JIS K 6253-2) |
押し込み硬さ(硬度) -バーコル |
熱硬化性樹脂の硬化物やガラス繊維強化プラスチック(GFRP)の試験片に、円錐形の針を押付け、最大値を読取る試験です。 |
引っかき硬さ(硬度) -鉛筆引っかき硬さ |
塗膜の表面硬度の測定方法として広く知られます。6B~6Hの鉛筆を750gの荷重で45°に押し当て、一定距離を転がして傷の有無を評価します(JIS K 5600-5-4他)。 |
引き剥がし強さ -90°・180°引き剥がし強さ -T形剥離強さ |
90°・180°引き剥がし強さは、JIS K 6854-1, 6854-2に準拠した接着剤のピール試験、銅張積層板の銅箔ピール、粘着剤の引きはがし粘着力測定等があります。 |
せん断接着強さ -引張せん断接着強さ -圧縮せん断接着強さ |
引張せん断接着強さは、JIS K 6850に準拠した接着剤の評価としては最も簡易で一般的です。剛性材料/剛性材料を接着した試験片でシングルラップシェア試験とも呼ばれます。 |
耐折性 -MIT試験 |
JIS P 8115準拠のMIT試験は、フィルムや紙等の薄物材料の折り曲げに対する耐久性を評価する試験です。JIS C 6471準拠したMIT試験は、フレキシブルプリント基板(FPC)の回路の銅箔が断線するまでの折り曲げ回数を測定します。 |
曲げ破壊靭性測定 | プラスチックの曲げ破壊靱性:ASTM D5045、支点間距離:48 mm(初期)、試験片形状:60×12×t6 mm(ノッチあり)。破壊靱性試験の結果(本試験・ブランク試験の変位および荷重)および破断面の亀裂長さより解析を行い、破壊靱性値を算出します。 |
ゴム・エラストマーの圧縮永久ひずみ測定 | 圧縮永久ひずみ試験は、加硫ゴムおよびTPE(熱可塑性エラストマー)を規定割合で圧縮し、規定時間後に解放したときの永久ひずみを測定し、へたり性を求める試験です(JIS K 6262、ASTM D395、ISO 815)。 |
光学特性
屈折率 -屈折率(アッベ屈折計を使用した測定) -屈折率(ベッケ線法) -アッベ数 |
屈折率(アッベ屈折計を使用した測定した方法)は、成形品やシート、フィルム、液体などの屈折率を測定します。屈折率とは、光が空気中からある物質中に入射したときの、入射角αと屈折角βの正弦比(sin α/sin β)で、光の波長や温度により変化します。 |
透過性-ヘーズ(曇価)・光線透過率 | 平らで透明な板やフィルムなどの光線透過率(全光線、拡散光線、平行光線)及びヘーズ(曇価)を測定します(JIS K 7105、JIS K 7136、JIS K 7361-1)。 |
透過性 -紫外可視吸光分光(UV-Vis) |
紫外・可視分光光度計を用いて、フィルムやシート形状サンプルの可視光~紫外領域(およそ800nm~200nm)の分光透過率を測定します。 |
色差・黄変度・黄色度 | 高分子材料において、成形品や、長期劣化試験後の試験片の外観変化は重要な評価項目の一つです。 |
光沢度 | 高分子材料において、成形品や、長期劣化試験後の試験片の外観変化は重要な評価項目の一つです。 |
表面色の比較・変退色用グレースケール | 人工光源を用いた色比較(JIS Z 8723)と、グレースケールを用いた色変化の判定(JIS L 0804)に対応します。 |
フォギング試験 (ISO 6452、DIN 75201、SAE J1756) | 試料から揮発する成分をガラス板に凝縮させ、ヘーズ(曇価)や鏡面光沢度(反射率)、付着物の質量の測定を実施し、評価します。 |
電気特性
抵抗値 -絶縁体(固体)の体積抵抗率・表面抵抗率 -絶縁体(液体)の体積抵抗率 |
絶縁体(固体および液体)の体積抵抗率・表面抵抗率を測定します。試験片に二重リング電極と対電極を形成し、三端子法により抵抗値を測定し、体積抵抗率・表面抵抗率を求めます。1×10^9Ω・cm~1×10^19Ω・cmが測定可能範囲です。 |
抵抗値 -四端子法 抵抗率(半導体~導体領域) -4探針法 抵抗率(半導体~導体領域) |
四端子法は、電圧電極と電流電極の四端子で抵抗値を測定し、試験片断面積と長さから計算により体積抵抗率を求めます。 |
誘電率・誘電正接 -低周波領域(自動平衡ブリッジ法) -低周波領域(変成器ブリッジ法) -高周波領域(空洞共振器摂動法) |
絶縁材の比誘電率および誘電正接を測定します。低周波領域の測定は、JIS C 2138に準拠した自動平衡ブリッジ(平行板コンデンサ法)を用いた方法で、LCRメータを用いて測定します。測定可能周波数は20Hz~2MHzです。 |
絶縁耐力 | 試験方法として短時間法、20秒段階法、1分間耐電圧等に分けられます。測定温度範囲はシリコーン油中で23℃~200℃です。 |
耐アーク性 | ASTM D495、JIS K 6911、JIS C 2135に対応します。規定間隔のステップで試料表面にアーク放電させ、アークが消滅するまでの時間を計測します。 |
耐トラッキング性(JIS C 2134、IEC 60112、ASTM D3638等) | 電流を流した試料電極間に電解液を滴下し、トラッキング現象が生じるかを試験します。CTIは50滴合格する最高電圧を求める試験です。PTIは指定電圧での合否判定試験です(IEC 60112、JIS C 2134、ASTM D3638)。 |
静電気特性
半減期 -スタティックオネストメータによる半減期測定 JIS L 1094準拠 |
織物及び編物を試験対象としたコロナ放電方式の帯電性能評価試験です。帯電防止処理を施したフィルム、絶縁材にも適用可能です。 |
帯電性 -スタティックディケイメータによる帯電性試験 |
米国連邦政府試験基準に準拠した直接印加方式の帯電性能評価試験です。高分子材料、フィルムが主な対象です。 |
燃焼性
UL94燃焼試験 | UL規格に準拠したプラスチック材料の燃焼試験です。対象物、試験方法(接炎方法・炎の強さ)の違いにより5種類の試験方法があります。①プラスチック材料:V、5V(垂直接炎)・HB(水平接炎)、②フィルム:VTM(垂直接炎)、③発泡体:HBF(水平接炎) |
ニードルフレーム | プラスチック製品を対象にした12mmニードルバーナー炎による燃焼試験です。 |
FMVSS No.302燃焼性試験 | 米国連邦自動車安全規格の自動車内装材料に適用される燃焼性試験です。※ISO/IEC 17025の認定試験も承ります。 |
グローワイヤー -燃焼性試験(GWFI) -着火性試験(GWIT) |
電気機器、そのサブアセンブリ及び部品、固体絶縁材料又は固体可燃材料に熱源を押し当てて耐熱性を評価します。IEC 60695-2-10~13。 |
引火温度・自然発火温度 | JIS K 7193 高温空気炉を用いるプラスチックの引火温度及び自然発火温度測定です。 |
酸素指数 | 窒素と酸素の混合ガス中で、垂直の小形試験片が燃焼を維持する最小酸素濃度を測定します。 |
消防法第2類危険物試験 -セタ密閉式引火点測定 |
消防法で規制される第2類可燃性固体の引火点を測定します。 |
消防法第2類危険物試験 -小ガス炎着火試験 |
消防法で規制される第2類可燃性固体のうち消防法別表第一第2類の項第1~8号を含有する試料の着火性試験です。 |
MCC (ASTM D7309、UL 746A-48A) | MCC(Microscale Combustion Calorimeter)は、アメリカ連邦航空局(FAA)のRichard E. Lyon氏によって開発された、プラスチックに代表される可燃物の燃焼特性を同定する熱分析技術です。 |
摩擦・摩耗特性
静・動摩擦係数 | 引張試験機を用いて、固定試料(フィルム・シート)の上に試料(フィルム・シート・板等)滑り片をのせて、滑り出し及び滑走時の摩擦係数を測定します。 |
滑り摩耗 | スラスト型摺動試験機(鈴木式-松原式 摩擦摩耗試験機)を用いて、任意の速度・荷重下で固定側と回転側の2つの試料間のトライボロジー・摺動特性を評価する試験です。 |
テーバー摩耗 | テーバー摩耗試験機を用い、一定速度で規定の摩耗輪を試料表面に転がし、耐摩耗性を評価する試験です。 |
テーバー式スクラッチ試験 | ターンテーブル(試験片)を回転させ、先端刃で一定の荷重を掛けながら試料を引き裂き、塗膜や試料表面に生ずる傷跡を観察し評価します。 |
摩擦堅ろう度試験 (JIS L 0849 学振式Ⅱ形) | 摩擦試験機を用いて試験片を摩擦用布で往復摩擦し、摩擦用布の着色および試験片の状態を観察します。 |
透過性
ガス透過度 -差圧式・ガスクロ法 |
JIS K 7126-1 差圧法-付属書2のガスクロ法に準拠。 |
燃料透過度 -差圧式・ガスクロ法 |
上記のガス透過性(ガスクロ法)の装置を使用し、燃料の透過性を測定します。混合燃料の場合、透過した燃料の種別が分かります。 |
燃料透過度 -カップ法 |
透湿度(カップ法)の測定手法を応用し、カップの中に燃料を封入し、透過性を測定する方法です。 |
透湿度 -差圧法・ガスクロ法(機械測定法) |
JIS K 7129 差圧法-付属書Cのガスクロ法に準拠 |
透湿度 -カップ法 |
JIS Z 0208 カップの中に塩化カルシウムを入れ、試料フィルムでカバーしたカップを、恒温恒湿状態(40℃・90%RH or 25℃・90%RH)に置き、一定時間ごとの質量増加を測定し、透湿度(g/m2・24h)を求めます。 |