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誘電率・誘電正接

比誘電率・誘電正接 低周波 (JIS C 2138, IEC 62631-2-1, ASTM D150)

板状・シート状の測定対象に平板電極を接触させ、平行板コンデンサの回路を作製し、そのコンデンサの静電容量を測定して、比誘電率を算出します。
誘電正接はLCRメータより直接読み取ることが可能です。

比誘電率は、絶縁材料で満たしたコンデンサの静電容量Cxと、同一電極構成で電極間を真空で満たした場合の静電容量C0に対する比を指します。
誘電率は、絶縁材料の比誘電率εrと真空の誘電率ε0との積で表されます。



LCRメータと電極(右側)

装置名 プレシジョンLCRメータ E4980A (アジレント・テクノロジー製)
測定範囲 周波数 20Hz~2MHz
静電容量 1×10-18~999×1018 [F]
誘電正接 0.000001~9.9
温度 -60℃~200℃
試料形状

60×60×t0.1~10mm [標準電極]
30×30×t0.1~10mm [小電極, 室温測定のみ対応]
※薄い材料、粘着性材料についてもご相談ください。


計算式

[比誘電率]   


εr:比誘電率  Cx:静電容量の測定値[pF]   C0:真空静電容量[pF]


ε0:真空の誘電率≒8.854[pF/m]  A:有効面積[m2]  h:試料厚さ[m]
Aは主電極面積(およびリング電極との間の距離)から算出

[誘電正接]


D:損失係数, tanδ:誘電正接

試料電極形成の一例


比誘電率・誘電正接-高周波領域(マイクロ波)

【1】空洞共振器摂動法 IEC 62810 【1GHz,2.45GHz,5GHz,10GHz】

測定装置 PNAネットワークアナライザ N5222B (キーサイト・テクノロジー製)
共振器

空洞共振器

(関東電子応用開発製)

1GHz用(CP431)        φ230mm
2.45GHz用(CP481)   φ215mm
5GHz用(CP511)        φ105mm
10GHz用(CP531)      φ75mm

仕様

共振モード TM010 [1GHz] TM020 [2.45GHz, 5GHz, 10GHz]
Q値(無負荷) 10,000以上[1GHz, 2.45GHz]
7,000以上[5GHz] 6,000以上[10GHz]
測定方向 試料長手方向
温度 室温のみ
試料寸法

長さ100mm以上 幅1.5mm以下 厚さ1.5mm以下 [1GHz, 2.45GHz]
長さ60mm以上 幅1.5mm以下 厚さ1.5mm以下 [5GHz]
長さ50mm以上 幅1.5mm以下 厚さ1.5mm以下 [10GHz]

※フィルムも測定可能です。
 寸法精度の関係上100μm以上が望ましいですが、これより薄い試験片でもご相談ください。
※試験片加工も承ります。

注意事項 粘着材料、高誘電材料(ε’=10以上)は測定不可となります。



試験光景(ネットワークアナライザと空洞共振器10GHz)



空洞共振器[左から1GHz, 2.45GHz, 5GHz(上), 10GHz(下)]


【2】スプリットシリンダ共振法 IPC TM-650 2.5.5.13【24GHz】

測定装置 PNAネットワークアナライザ N5222B (キーサイト・テクノロジー製)
共振器 スプリットシリンダ共振器 24GHz用(CR724) (関東電子応用開発製)

仕様

共振モード TE011
Q値(無負荷) 14,000以上
測定方向 試料面内方向
温度 室温のみ
試料寸法 長さ40~50mm 幅30~35mm 厚さ100μm以下(推奨)



試験光景(ネットワークアナライザとスプリットシリンダ)


概要

[共振法測定原理]

共振器内部の電界のみ存在する領域に誘電体を挿入すると、共振器の共振周波数とQ値が変化します。(下図)

比誘電率の実数部(ε)と虚数部(ε)は次の摂動公式が与えられます。

Fr0 , Q0:共振器単体の共振周波数と無負荷Q
Frs , Qs:試料挿入時の共振周波数と無負荷Q
Sc:共振器の断面積  Ss:試料の断面積  α:共振モードによって決まる定数

上式から試料寸法の測定誤差が、誘電特性の結果の値に与える影響が大きいことが分かります。


材料に求められる誘電特性

一般的に回路基板に使用される材料には低誘電率・低誘電正接が求められます。これは伝送損失や信号速度に影響を与えるためです。
またフィルムコンデンサに使用される材料にはコンデンサの小型化に寄与する高誘電率の材料が求められます。