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GC-MSによる定性・定量分析

仕様

GC-MS 5975

表1 装置概要について
使用機器 GCMS-QP2020NX
㈱島津製作所製
5975 inert GC/MSシステム
Agilent社製
MS検出器 EI、CI EI
付属装置1 液体用オートサンプラー
AOC-20i Plus
加熱脱着装置 TDS3
ゲステル㈱社製
付属装置2 パイロライザー EGA/PY-3030D
+クライオトラップ付属
(フロンティアラボ社製)
パイロライザー PY-2020iD
(フロンティアラボ社製)
試料導入の制限 約300~350℃までに気化することが条件
パイロライザーで熱分解させた揮発成分を導入
試験概要

混合揮発成分を、移動相を気体としたカラムに通し、固定相であるカラム壁面と、 成分ごとの親和性の差を利用し、分離する。
分離した成分をMSへ導きイオン化させ、生成された分子イオンおよび分解イオンのマススペクトルを測定する。
これらのデータからマスクロマトグラフィー(定性分析)、マスフラグメントグラフィー(定量分析)などを行う。

測定例

市販ポリマーの分析例を示します。

測定例1 市販ポリメタクリル酸メチルのPy(熱分解)-GC/MS

ポリメタクリル酸メチル(PMMA)のモノマーであるMMA(メタクリル酸メチル)が主として検出されましたが、MA(アクリル酸メチル)も数%検出されました。このMAは解重合防止のためにMMAと共重合させているものと推定されます(解重合抑制の共重合成分として添加)。

測定例1

 

測定例2 熱分解GC/MSによる各種ポリマー(ABS、MBS、SIS)分析

Py-GC/MSを行うことで各樹脂を構成するモノマーやモノマー由来成分、三量体が検出されました。

測定例2-1

測定例2-2

測定例2-3

測定例2-4

測定例3 熱分解GC/MSによる熱可塑性ウレタン(TPU)分析

ポリエーテル系TPUはジフェニルメタンジイソシアネートやポリオールの構成単位モノマーが検出され、MDIとヘキサンジオール系ポリエーテルからなるTPUと示唆されました。
ポリエステル系TPUはMDIやポリエステルを構成するジオール成分、アジピン酸由来の生成物が検出され、MDIとアジピン酸系ポリエステルポリオールからなるTPUと示唆されました。

測定例3-1

測定例3-2

 

測定例4 溶媒抽出によるポリオレフィンからのフタル酸エステル系可塑剤分析

可塑剤7種が含まれるポリオレフィンについて、溶媒抽出液のGC/MSを行いました。
各可塑剤に特徴的なフラグメントイオンに注目することでピーク分離が不十分なフタル酸ジオクチル(DOP)、フタル酸ジイソノニル(DINP)、フタル酸ジイソデシル(DIDP)も定量可能となります。

測定例4

測定例5 市販PE袋からの酸化防止剤検出

市販PE製袋についてTD(熱脱着)-GC/MSを行いました
フェノール系酸化防止剤やリン系酸化防止剤とその生成物が検出され、PE由来の炭化水素成分も多数検出されています。

測定例5

 

測定例6 アウトガス分析:シリコーンゴムの揮発成分(環状シロキサン)分析

シリコーンゴムを200℃へ加熱した際に発生するアウトガス成分についてTD-GC/MSを行いました。
主にD6~D16の環状シロキサン成分が検出されました。

測定例6

測定例7 アウトガス分析:TD-GC/MSによる揮発成分分析

スーパーエンプラについて加熱時の揮発成分を分析しました。
残留重合溶媒やモノマー由来成分が検出されました。

測定例7-1

測定例7-2

測定例7-3

 

測定例8 スーパーエンプラの熱分解GC/MS

スーパーエンプラについて熱分解GC/MSを行いました。
化学構造を反映する分解物が検出されています。

測定例8-1

測定例8-2

測定例9 反応熱分解GC/MSによる各樹脂の分析

各種樹脂について水酸化テトラメチルアンモニウムを用いて、Re(反応熱分解)-GC/MSを行いました。
一部の縮合系樹脂では熱分解GC/MSよりも構成モノマーに由来する成分の定性情報が詳細に得られます。

測定例9-1

測定例9-2

測定例9-3

測定例9-4

 

測定例10 EGA-MSによる発生ガス分析

EGA-MSでは加熱炉にて発生させたガスをGCカラムで分離せず不活性化金属チューブを用いて検出器へ導入します。
成分ごとの分離が行われないため成分定性には向きませんが、ガスを発生する温度帯の把握が行えます。

測定例10-1

測定例10-2

測定例10-3