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事業案内
■共重合体組成(Py-GC-MS分析)
GC-MSとはGC(ガスクロマトグラフィー,Gas Chromatography)とMS(質量分析,MassSpectrometry)を直結させた分析装置で、揮発成分混合系に対して優れた分離能を有するGCと定性・構造決定に威力を発揮するMSの特長を活かした分析システムです。
高分子分析への応用例
・高分子材料に含まれる添加成分の分析
溶媒抽出などの前処理で得られた抽出液をGC-MS分析し、酸化防止剤等の添加剤や残存溶媒の定性・定量が可能です。
・熱分解GC-MSによる高分子材料の組成分析(Py-GC/MS、Re-GC/MS)
試料導入系に熱分解装置(パイロライザー)を取り付けて高分子材料を熱分解させ、そこで発生した成分を分析することで、もとの高分子の組成や微細構造を解析することができます。この場合、熱可塑性樹脂や複合材料のほか、熱硬化性樹脂の分析も可能です
このほか、以下のような分析ができます。
・分子量の測定 (1,100以下)
・有機化合物の同定及び構造推定
・アウトガス分析(TD-GC/MS)
・定量分析
・発生ガス分析(EGA-MS)
仕様
使用機器 | GCMS-QP2020NX ㈱島津製作所製 |
5975 inert GC/MSシステム Agilent社製 |
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MS検出器 | EI、CI | EI |
付属装置1 | 液体用オートサンプラー AOC-20i Plus |
加熱脱着装置 TDS3 ゲステル㈱社製 |
付属装置2 | パイロライザー EGA/PY-3030D +クライオトラップ付属 (フロンティアラボ社製) |
パイロライザー PY-2020iD (フロンティアラボ社製) |
試料導入の制限 | 約300~350℃までに気化することが条件 パイロライザーで熱分解させた揮発成分を導入 |
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試験概要 | 混合揮発成分を、移動相を気体としたカラムに通し、固定相であるカラム壁面と、 成分ごとの親和性の差を利用し、分離する。 分離した成分をMSへ導きイオン化させ、生成された分子イオンおよび分解イオンのマススペクトルを測定する。 これらのデータからマスクロマトグラフィー(定性分析)、マスフラグメントグラフィー(定量分析)などを行う。 |
測定例
市販ポリマーの分析例を示します。
測定例1 | 市販ポリメタクリル酸メチルのPy(熱分解)-GC/MS |
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ポリメタクリル酸メチル(PMMA)のモノマーであるMMA(メタクリル酸メチル)が主として検出されましたが、MA(アクリル酸メチル)も数%検出されました。このMAは解重合防止のためにMMAと共重合させているものと推定されます(解重合抑制の共重合成分として添加)。
測定例2 | 熱分解GC/MSによる各種ポリマー(ABS、MBS、SIS)分析 |
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Py-GC/MSを行うことで各樹脂を構成するモノマーやモノマー由来成分、三量体が検出されました。
測定例3 | 熱分解GC/MSによる熱可塑性ウレタン(TPU)分析 |
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ポリエーテル系TPUはジフェニルメタンジイソシアネートやポリオールの構成単位モノマーが検出され、MDIとヘキサンジオール系ポリエーテルからなるTPUと示唆されました。
ポリエステル系TPUはMDIやポリエステルを構成するジオール成分、アジピン酸由来の生成物が検出され、MDIとアジピン酸系ポリエステルポリオールからなるTPUと示唆されました。
測定例4 | 溶媒抽出によるポリオレフィンからのフタル酸エステル系可塑剤分析 |
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可塑剤7種が含まれるポリオレフィンについて、溶媒抽出液のGC/MSを行いました。
各可塑剤に特徴的なフラグメントイオンに注目することでピーク分離が不十分なフタル酸ジオクチル(DOP)、フタル酸ジイソノニル(DINP)、フタル酸ジイソデシル(DIDP)も定量可能となります。
測定例5 | 市販PE袋からの酸化防止剤検出 |
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市販PE製袋についてTD(熱脱着)-GC/MSを行いました
フェノール系酸化防止剤やリン系酸化防止剤とその生成物が検出され、PE由来の炭化水素成分も多数検出されています。
測定例6 | アウトガス分析:シリコーンゴムの揮発成分(環状シロキサン)分析 |
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シリコーンゴムを200℃へ加熱した際に発生するアウトガス成分についてTD-GC/MSを行いました。
主にD6~D16の環状シロキサン成分が検出されました。
測定例7 | アウトガス分析:TD-GC/MSによる揮発成分分析 |
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スーパーエンプラについて加熱時の揮発成分を分析しました。
残留重合溶媒やモノマー由来成分が検出されました。
測定例8 | スーパーエンプラの熱分解GC/MS |
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スーパーエンプラについて熱分解GC/MSを行いました。
化学構造を反映する分解物が検出されています。
測定例9 | 反応熱分解GC/MSによる各樹脂の分析 |
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各種樹脂について水酸化テトラメチルアンモニウムを用いて、Re(反応熱分解)-GC/MSを行いました。
一部の縮合系樹脂では熱分解GC/MSよりも構成モノマーに由来する成分の定性情報が詳細に得られます。
測定例10 | EGA-MSによる発生ガス分析 |
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EGA-MSでは加熱炉にて発生させたガスをGCカラムで分離せず不活性化金属チューブを用いて検出器へ導入します。
成分ごとの分離が行われないため成分定性には向きませんが、ガスを発生する温度帯の把握が行えます。