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PVT特性

高分子材料を射出成形する場合、高温高圧の状態で低温の金型に注入し、急冷されて固体状になります。このとき高分子材料は、冷却によって体積減少を生じます。

PVT測定は、冷却時の挙動変化[P(圧力)-V(体積)-T(温度)]を測定し、流動解析、金型設計のシュミレーションデータとして利用されております。また、得られた比容積(cm3/g)から高温時の密度変化を推定することができます。
※ワックス、タールピッチ、ミリスチン酸セチルなど、高温溶融状態の密度測定も可能です。

○熱可塑性材料の測定方法

1.投入試料を正確に秤量します(比重1.0の材料では、1g程度が標準)。
2.測定温度上限(試料の溶融温度以上)に加熱したシリンダーに試料を投入し、溶融、脱泡させ、任意の圧力をかけます。
3.温度、圧力が安定したら、シリンダー内の試料体積を測定し、次の温度の測定を行うべく、シリンダー温度を下げます。
PVT

装置仕様

装置名 PVT試験機 <(株)東洋精機製作所>
温度範囲 300℃~30℃(O-ring封止)、400℃~30℃(クリアランス封止)
最大圧力 200MPa ※10MPa以下は外挿法による
シリンダー径 9.55mm (面積0.716cm² )
圧力検出方式 ロードセル
変位量測定 最小分解能1μm

◆測定例1

PVTチャート

○熱硬化性材料の測定方法

1.投入試料を正確に秤量します(液状の場合では、ディスポーザブルシリンジを利用します)。
2.30℃程度に温調したらシリンダーに試料を投入し、脱泡させ、任意の圧力をかけます。
3.温度、圧力が安定したら、シリンダー内の試料体積を測定し、次の温度の測定を行うべく、シリンダー温度を上げます(硬化収縮を観測したのち、硬化完了温度まで順に測定します)。
4.完全硬化後、シリンダー温度を下げながら測定することで、硬化物の熱収縮挙動が測定できます。

PVTtest

装置仕様

装置名 PVT試験機 <(株)東洋精機製作所>
温度範囲 25℃~300℃(O-ring封止)
最大圧力 100MPa ※5MPa以下は外挿法による
シリンダー径 11.284mm (面積1.0cm² )
圧力検出方式 ロードセル
変位量測定 最小分解能1μm

◆測定例2

PVTチャート2
通常は、5℃から10℃毎にデータ採取を行います。
※PVT測定は、DSC測定のような一定降温ではなく、測定温度で温度、圧力が一定になったら体積測定を行い、その温度での測定を終了させます。低温側に行くほど安定化するのに時間を要します。
熱硬化樹脂の場合、熱膨張と硬化収縮が生じるため、データの解析には注意が必要です。また、シリンダー壁面に樹脂が固着する場合は、見掛けの体積変化挙動を測定している場合があります。

オプション解析として、結晶化シミュレータソフトにて、高速冷却・非定常冷却におけるPVT特性を評価することができます。

◆測定例3

PVTシミュレーター