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SPM -走査型プローブ顕微鏡

SPMの概要

SPM(走査型プローブ顕微鏡)は、測定部である微小の針が試料表面に対して、どのような応答をするかを観察する装置です。

弊社保有の装置では、下記モードについて測定が可能です。
◎現在、測定技術開拓中につき、受託測定が可能なモードはコンタクト・位相像のみ、測定対象は冷凍割断可能な材料に限定させて頂きます。

表1 測定可能モード※1
モード イメージ像 測定内容
コンタクト カンチレバーと試料との間に働く斥力が一定になるようにフィードバックをかけながら試料表面を走査するモード。
→『表面状態の観察』
ダイナミック カンチレバーを共振周波数付近で振動させ、その振幅の変化を観察することで試料の高さ方向の変位を取得するモード。
→『試料凹凸』
位相 ダイナミックモードで走査中に、カンチレバーの位相の遅れを検出します。試料表面の特性の違いを画像化するモード。
→『分散度・モルフォロジー』
水平力 カンチレバーの長手方向に対して垂直に走査してカンチレバーのねじれ量を検出し、画像化するモード。
→『タック性・表面付着物の有無』
フォース
モジュレーション
コンタクトモードで走査中に探針を繰り返し試料に押し込み、その応答を振幅と位相に分離検出し、特性の違いを画像化するモード。
『分散度・モルフォロジー』

※1 参考:島津製作所(株)HP

SPMの仕様

表2 マシンスペック
分解能 XY:0.2 nm, Z:0.01 nm
SPMユニットヘッド 変位検出系 光源/光てこ/検出器
光源 レーザーダイオード
(650 nm, 0.6 mW)
検出器 フォトディテクター
スキャナ 駆動素子 チューブ型ピエゾ素子
最大走査範囲 □10 μm×1 μm
□30 μm×5 μm
□125 μm×7 μm
ステージ 試料最大形状 φ24 mm×8 mm
試料交換方式 ヘッドスライド機構
試料固定方式 マグネットによる固定
SPMヘッド移動範囲 6 mm×6 mm(試料径φ18 mmのとき)
Z軸駆動部 方式 ステッピングモーターによる全自動機構
最大可動範囲 10 mm
信号表示パネル 表示量 検出器への総入射光量

 

測定例1~位相モードにおける観察~

~分散状態の観察~
A,B異なるカーボンブラックを同配合量で2種のゴムシートを作製し、SPMでこれの分散状態の観察と、電気抵抗計にて体積抵抗の測定を試みました。結果を図1に示します。
画像中の黒色部がカーボンブラックであり、これの種類の違いにより分散の度合いが異なることがわかりました。画像を比較すると分散状態は①>②であるのが明らかであり、これが起因で体積抵抗に大きな差が生じたと考察します。

No. ①カーボンブラックA ②カーボンブラックB
位相像
【Ω・m】 2.90 E+01 1.41 E+09

図1 位相モードによる観察像    ※画像は□5 μmの代表例

 

測定例2~コンタクトモードにおける観察~

~表面観察~
金属蒸着処理を行った試料の表面状態について、コンタクトモードで観察した結果を図2に示します。このように取得した画像について図3のように解析することで、指定範囲における「距離、凹凸の深さ、角度」や「面粗さ」などの算出が対応可能となります。