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事業案内
■キャピラリーレオメータによる溶融張力(メルトテンション)測定
特徴
溶融張力(メルトテンション)は、溶融樹脂を引っ張った際に発生する張力です。
紡糸やブロー成形・インフレーション成形等の伸長流動を伴う成形加工性の指標として用いられます。
装置仕様
装置名 | キャピログラフ1D PMD-C (株)東洋精機製作所 |
---|---|
温度範囲 | 60~400 ℃ (一定) |
押出速度 | 0.1~20 mm/min程度 (装置スペック:0.1~1000 mm/min、0.1 mm/min単位で設定可能) 最大荷重:20 kN (但し、500 mm/min以上では10 kN) |
バレル寸法 | 内径9.55 mm、全長350 mm (有効長さ250 mm) |
キャピラリー | φ0.5×5 mm、φ1×5 mm、φ1×10 mm、 φ1×20 mm、φ1×40 mm、φ2×10 mm ※すべてフラット |
張力検出範囲 | 10~2000 mN (最小表示:0.01 mN) |
引取速度 | 0.1~200 m/min (一定 or 加速) |
溶融張力(メルトテンション)測定の概要
キャピラリー(ダイス、オリフィス)から一定の押出速度で吐出されたストランドをプーリー状のロードセルを介して任意の速度で引き取り、ロードセルの荷重値を溶融張力とします。
設定項目
引取速度の設定には2パターンがあります。
①引取速度 一定 | ②引取速度 加速 | |
---|---|---|
引取の設定項目 | ・引取速度 (m/min):1~3水準程度 | ・加速度:1~3水準程度 ・初期引取速度:一定 |
その他の設定項目 | ・押出速度 (mm/min) or せん断速度 (1/s):一定 ・測定温度:一定 ・キャピラリー形状:一定 |
・押出速度 (mm/min) or せん断速度 (1/s):一定 ・測定温度:一定 ・キャピラリー形状:一定 |
得られるデータ | ・読取区間内の平均溶融張力 (mN)(下図※1) | ・破断時の最大引取速度 (m/min)(下図※2) ・破断時の最大溶融張力 (mN)(下図※3) |
測定画面例 |
① 引取速度 一定
任意の引取速度を設定、一定の速度でストランドを引き取りながら張力を数秒測定し、その間の平均張力を算出します。
② 引取速度 加速
引取速度を加速させていき、破断直前の引取速度と張力を記録します。
引取の加速度は、”初期引取速度から200 m/minまで、t minで加速させる”という設定をします。
例えば、初期引取速度になるまでの時間tを0.5minとした場合、加速度aは400 m/min2です。
加速度は下記のように設定できます。
t (min)※ | 加速度 (m/min2) | 加速度 (m/s2) |
---|---|---|
0.5 | 400 | 0.111 |
1 | 200 | 0.0556 |
1.5 | 133 | 0.0370 |
2 | 100 | 0.0278 |
3 | 66.7 | 0.0185 |
4 | 50.0 | 0.0139 |
5 | 40.0 | 0.0111 |
6 | 33.3 | 0.00926 |
8 | 25.0 | 0.00694 |
10 | 20.0 | 0.00556 |
※最大引取速度 200 m/minになるまでにかかる時間
データ例(1)
各種ポリエチレンの測定
試料名 | 押出速度 (mm/min) |
引取速度 (m/min) |
溶融張力 (mN) |
---|---|---|---|
LLDPE | 10 | 5 | 19.9 |
10 | 24.4 | ||
20 | 28.2 | ||
LDPE | 10 | 5 | 28.1 |
10 | 32.9 | ||
20 | 36.2 | ||
HDPE | 10 | 5 | 56.6 |
10 | 57.6 | ||
20 | 59.7 |
<条件>キャピラリー形状・・・L/D=20/φ1、試験温度・・・190 ℃
試料名 | 押出速度 (mm/min) |
加速度 (m/min2) |
破断時引取速度 (m/min) |
破断時溶融張力 (mN) |
---|---|---|---|---|
LLDPE | 10 | 40 | 26.8 | 37.2 |
200 | 24.4 | 36.2 | ||
400 | 35.5 | 34.3 | ||
LDPE | 10 | 40 | 23.5 | 37.8 |
200 | 22.2 | 37.0 | ||
400 | 27.5 | 40.5 | ||
HDPE | 10 | 40 | 40.6 | 66.0 |
200 | 45.7 | 60.4 | ||
400 | 43.0 | 63.6 |
データ例(2)
PA6およびPA6+増粘剤の測定
※溶融粘度、ダイスウェル、伸長粘度の測定結果は、「キャピラリーレオメータによる溶融粘度測定」参照
試料名 | 押出速度 (mm/min) |
引取速度 (m/min) |
溶融張力 (mN) |
---|---|---|---|
①PA6 | 5 | 10 | 0.9 |
②PA6 +増粘剤(3 phr) |
5 | 10 | 40.1 |
<条件>キャピラリー形状・・・L/D=20/φ1、試験温度・・・235 ℃
試料名 | 押出速度 (mm/min) |
加速度 (m/min2) |
破断時引取速度 (m/min) |
破断時溶融張力 (mN) |
---|---|---|---|---|
①PA6 | 2 | 133 | 200※ | 11.9 |
200 | 200※ | 11.3 | ||
400 | 200※ | 10.9 | ||
②PA6 +増粘剤(3 phr) |
2 | 133 | 19.1 | 19.9 |
200 | 28.0 | 21.7 | ||
400 | 33.8 | 27.7 |
※最大引取速度200 m/minで破断しなかった
<条件>キャピラリー形状・・・L/D=20/φ1、試験温度・・・溶融粘度235 ℃
初期引取速度・・・10 m/min、引取速度最大200 m/minになるまでの時間・・・0.5、1.0、1.5min