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事業案内
■圧縮試験
- 圧縮試験は、角柱・円柱・円筒形の試験片を、2枚の平行板面にはさみ、荷重を加えて破壊するまでの応力とひずみの関係を求める試験です。
- 弊社では、恒温槽内(-60~300℃)での試験が可能です。材料の温度依存性データが取得できます。
- 試験片の作製から承ります。
適用規格 | JIS K7181 等 (下記 表1参照) |
---|---|
試験片寸法 | 角柱・円柱もしくはダンベル形の圧縮試験片 ※形状については、ご相談ください |
測定温度範囲 | -60℃~300℃ ※-60℃以下の測定についてはご相談ください。 |
ロードセル | 100Nから100kN |
規格番号 | 規格名称 | 適用材料 |
---|---|---|
JIS K 7181 ISO 604 |
プラスチック- 圧縮特性の試験方法 | プラスチック材料全般 |
JIS K 7018 ISO 14126 |
繊維強化プラスチック ― 積層板の面内圧縮特性の求め方 |
FRP |
ASTM D695 | Standard Test Method for Compressive Properties of Rigid Plastics1 | プラスチック材料全般 |
ASTM D3410/ D3410M-03 |
Standard Test Method for Compressive Properties of Polymer Matrix Composite Materials with Unsupported Gage Section by Shear Loading1 | FRP |
圧縮試験で得られるデータは、ほぼ引張試験と同じです。
図1に代表的な圧縮応力-ひずみ曲線を表します。
熱可塑性樹脂のうち、PPやABSなど軟質材料では、荷重を加えても圧縮破壊せず、偏平状に押しつぶされてしまいます。圧縮破壊しない材料については、圧縮特性を求めることが難しく、降伏点における応力をもって表すか、一定の歪みを生じたときの応力(ex 0.2%耐力)をもって表します。
図1. 体表的な圧縮応力-ひずみ曲線
試験片形状によっては、破壊に至らず、座屈する場合があります。その場合は、試験片の形状を変更する必要があります。
座屈とは?
細長い試験片に圧縮力を加えていくと、ある荷重で急に大きなたわみを生じます。これが座屈です。(図2)
座屈応力は、破壊強ではありません。
座屈応力は、オイラー式で求めることができます。
圧縮強さを求めるための試験片高さについて
Q:長細い試験片が座屈してしまうならば、極端に低い試験片にすれば座屈する心配はないので、試験片高さを低くすればよいでしょうか?
A:圧縮試験としては、不成立と言えます。よって、座屈しない形状の試験片が必要となります。
圧縮破壊は軸方向と平行に生じる単純応力だけでなく、θ°(理論的には45°)傾斜する断面方向のせん断応力も生じ、破壊します。(図3)
圧縮破壊を生じさせるためには、45°のせん断面が十分に得られ、プラスアルファの余裕のある試験片の高さが必要となります。(立方体では、45°のせん断面が得られますが、プラスアルファがないため適切ではありません。)
以上より、座屈せず、また圧縮破壊できるだけの高さをもった試験片が必要となります。
JIS K 7181 付属書Bに記載のあるように、以前は、試験片高さは「細長比=10が得られる高さ」を推奨されていましたが、実際は、座屈してしまう結果が多く、今は使用されていません。
細長比について
解説:
旧圧縮試験規格JIS K 7208では、各試験片の高さは10~40mmとするが30mmが望ましく、各試験片の細長比は原則として10とする。
弾性率を求める場合は、11~16を用いてもよいと記述されていた。
λ=10の場合の試験片寸法
h | 正四角柱 a | 角柱 短片 b | 円柱 直径 d |
---|---|---|---|
10 | 3.46 | 3.46 | 4 |
20 | 6.9 | 6.9 | 8 |
30 | 10.4 | 10.4 | 12 |
40 | 13.8 | 13.8 | 16 |
※JIS K 7181の標準試験片の細長比を計算すると、下記表の数値になり、細長比は旧圧縮試験規格JIS K 7208の推奨より、強さ測定用は小さくなり、弾性率測定用は大きくなっています。
強さ測定 | 弾性率測定 | |
---|---|---|
形状 | 短片b,長辺C,高さh b=4, c=10, h=10 |
短片b,長辺C,高さh b=4, c=10, h=50 |
断面積 A | b×c=40 | b×c=40 |
断面二次モーメント I | ||
断面二次半径 k | ||
細長比 λ |
【よくあるお問い合わせ】
Q: CFRPの圧縮試験は実施可能ですか?
A: DJKでは、表1に記載している規格の一部で、試験実施可能です。(荷重100kNまで)
ATSM D3410/D3410M-03にあるIITRI法については、別途お問い合わせください。
JIS K 7018は、方法3(キ字形試験ジグを使用する方法)が可能です。
DJKでは、圧縮強さ測定に使用するタブ付の試験片にひずみゲージを貼付し、同時に弾性率を測定する方法を実施しておりません。弾性率測定には、別の試験片(タブを貼付していない短冊試験片)を用いて試験いたします。あらかじめご了承ください。すでにひずみゲージを貼付されている試験片をご支給していただく場合は、強さと弾性率を同時に測定いたします。
Q: 圧縮弾性率を正確に測定したい。
A: DJKでは、JIS K 7181の標準試験片A型(50×10×4mm)での弾性率測定をお勧めしておりません。試験片の曲げによる影響が大きくなるからです。
代わりに、JIS K 7018 方法3を参考にした、キ字形ジグを使用する測定方法を実施しております。
試験片は、幅、厚さはJIS K 7181標準試験片-A型と同じで、長さを78mmにした、矩形試験片を用います。試験片中央の両面にひずみゲージを貼付し、ひずみを測定いたします。