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引っかき硬さ(硬度)-鉛筆引っかき硬さ

鉛筆引っかき硬さ

鉛筆の芯を試料表面に押付けて動かし、傷付きの有無により試料の引っかき硬度を鉛筆の芯の硬さ(6B~HB~6H)で表します。 本試験は、塗膜のひっかき硬度を対象としていますが、プラスチックの表面硬さの評価方法としても用いられています。

機械法

上の図のような車輪つきブロックに鉛筆を斜め45度でセットし、試料表面を走行させます。

【測定方法】
1.水平であることを装置付属の水準器で確認します。
2.0.5~1.0mm/sの速度で、少なくとも7mmの距離を走行させます。
3.評価:傷または圧痕が付いた場合は、鉛筆スケールを軟らかくし、傷跡が付かない鉛筆スケールを探します。逆に傷または圧痕が付かない場合は、鉛筆スケールを硬くし、傷跡が付く鉛筆スケールを探します。

鉛筆硬度の定義:傷跡が付かない最も硬い鉛筆スケールで、2回とも同じ結果が得られるまで測定を続けます。

【装置仕様】

鉛筆先端の負荷荷重 750±10g
使用鉛筆 三菱鉛筆Uni(軟←6B~HB~6H→硬)
鉛筆の芯の調整 木部だけを削り、芯は削らずに円柱状に保つ。先端は、90度の角度を保ち研磨紙で研磨し、平滑で円形の断面を得る。

手かき法

現規格では手かき法を認めていますが、望ましくは機器法を強く推奨しています。
当たりをつけるには、手かき法が簡便です。

測定例


セット
硬←        →柔
鉛筆硬度
H F HB B
1 ×× ×× ○× ○○ HB
2 ×○
3 ○×
4 ○○

 

試験は2回繰り返し、2回の判定が異なる場合は、試験をやり直し、傷がつかない硬さまで硬度スケールを下げていきます。
測定例では、1セット目がHから測定し2回の判定が×(傷がつく)だったので、スケールをF→HB と軟らかくしていきました。HBでは○×となったため、Bを測定し○○となったためB以上は確定しましたが、HBで2回の判定が異なったため、この結果を放棄し、試験をやり直しました。 2、3セット目も異なり、4セット目で2回の判定が○(傷つかない)に揃い、評価(傷がつかない硬さ)は「HB」となりました。

プラスチックの標準的な鉛筆硬さ

ほとんどのプラスチックはHB以下であり、ポリエチレン等は4B~6Bの軟らかい素材が多いです。それに対して、アクリル樹脂は、H~2Hの鉛筆硬さに属するグレードが多いです。
最近はコーティング技術が発達し、コーティングにより6H以上の評価になるものがございます。 例えば、自動車の樹脂製ランプカバー(ポリカーボネート樹脂の利用)や、携帯電話や携帯音楽プレイヤーに代表される高機能ディスプレイ用途には、コーティングを行い耐傷付き性を改良しているものが多いです。