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■酸素指数
酸素指数とは、材料が燃焼を持続するのに必要な最低酸素濃度(容量%)を酸素指数(Oxygen Index)と定義します。燃焼時間が180秒以上継続するか、または、接炎後の燃焼長さが50mm以上燃え続けるのに必要な最低の酸素濃度(そのときの窒素濃度)を求めます。
【JIS K 7201-2 ISO 4589-2 ASTM D2863 酸素指数による燃焼性の試験】
試験片形状 | 寸法 (mm) | 用途 | ||
---|---|---|---|---|
長さ | 幅 | 厚さ | ||
I | 80~150 | 10±0.5 | 4±0.25 | 成形材料 |
II | 80~150 | 10±0.5 | 10±0.5 | 発泡材料 |
III | 80~150 | 10±0.5 | 10.5以下 | 受入れ状態でのシート材料 |
IV | 80~150 | 6.5±0.5 | 3±0.25 | 自立成形材料若しくはシート材料 |
V | 135~140 | 52±0.5 | 10.5以下 | 可とう性のフィルム又はシート |
VI | 140~200 | 20 | 0.02~0.10 | 巻き上げ可能な薄肉フィルム |
試験片は20本程度必要
Ⅴ、Ⅵ形は自立しないシート及びフィルムに適用
【測定方法】
酸素指数の測定基準である燃焼時間180秒以下かつ燃焼距離50mm以下を満足する場合は、材料が燃焼を継続するための酸素濃度が低いことを示し、その応答を「○」とします。
反対に燃焼時間180秒を超え、または、燃焼距離が50mmを超える場合は、材料が燃焼を継続するための酸素濃度が高いことを示し、その応答を「×」と表記します。
継続する次の試験片に用いる酸素濃度は 直前の試験片の燃焼挙動の応答が「×」なら酸素濃度を減少させます。
直前の試験片の燃焼挙動の応答が「○」なら酸素濃度を増加させます。
【空気中で試験片に点火を試みて、試験の初期酸素濃度の目安をつける】
急激に燃焼する材料は18%から開始、不安定に燃焼する材料は21%から開始、燃えない材料は25%から開始します。
【仮の酸素指数測定】
1%以内で応答が○と×となる酸素濃度を絞り込み、○の応答を仮の酸素指数とします。
仮の酸素指数(Co): 27.0
酸素濃度(%) | 25.0 | 30.0 | 27.0 | 28.0 |
---|---|---|---|---|
燃焼時間(s) | 66 | 40 | 55 | 65 |
燃焼距離(mm) | 20 | 50 | 25 | 50 |
応答 | ○ | × | ○ | × |
【NLシリーズの測定】
仮の酸素指数の応答が反転するまで0.2%刻みで酸素濃度を増減して試験を続けます。
酸素濃度(%) | 27.0 | 27.2 | 27.4 | 27.6 |
---|---|---|---|---|
燃焼時間(s) | 45 | 55 | 65 | 124 |
燃焼距離(mm) | 15 | 10 | 20 | 50 |
応答 | ○ | ○ | ○ | × |
【NTシリーズの測定】
4本の試験片につき、上記の継続する試験片に用いる酸素濃度として0.2%ずつ増減させて試験を行い、4本目の酸素濃度をCf値とします。
酸素指数(OI)=Cf+kd= 27.6
酸素濃度(%) | 27.6 | 27.4 | 27.6 | 27.4 | Cf=27.6 | k |
---|---|---|---|---|---|---|
燃焼時間(s) | – | 57 | 112 | 48 | 106 | 0.04 |
燃焼距離(mm) | – | 15 | 50 | 15 | 30 | |
応答 | × | ○ | × | ○ | ○ |
【酸素指数の算定】
酸素指数(OI)=Cf + kd
Cf:酸素濃度の最終試験値
d :酸素濃度増減量, d=0.2
k :JIS K 7201-2の表4から得られる係数
【dの検証】
酸素指数を算出後、JIS K 7201-2:2021の8.7.4項と附属書C(参考:記録用紙)より、酸素濃度の増減量dが適切であるかを検証します。
Ci | OI | Ci-OI | (Ci-OI)² | |
---|---|---|---|---|
Cf 1 | 27.6 | 27.61 | -0.01 | 0.0001 |
2 | 27.4 | 27.61 | -0.21 | 0.0433 |
3 | 27.6 | 27.61 | -0.01 | 0.0001 |
4 | 27.4 | 27.61 | -0.21 | 0.0433 |
5 | 27.6 | 27.61 | -0.01 | 0.0001 |
6 | 27.4 | 27.61 | -0.21 | 0.0433 |
∑(Ci-OI)² | 0.1300 |
☆2017年のISO 4589-2の改定に伴い、JIS K 7201-2も2021年に改訂され、新たに酸素分析計が周辺設備に追加されました。それに対応する試験機を導入しました。
これにより、0.1%の分解能と±0.1%の精度で酸素濃度をフィードバック制御できるようになりました。
メーカー | 株式会社東洋精機製作所 |
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型式 | AC3 |
燃焼円筒 | 内径 φ75mm×高さ 450mm |
流量制御 | デジタルマスフローコントローラー(酸素・窒素) |
酸素分析計 | 測定方法:磁気ダンベル式、酸素濃度を常にフィードバック制御 |
測定精度(OI値) | ±0.2 |
酸素濃度分解能 | 0.1% |
酸素濃度精度 | ±0.1% |
濃度調節 | 15~90% |
混合ガス総流量 | 10.6L/min |
円筒内流速 | 40±2mm/s |
ガス流量 | 700cc/min |
【粉粒状、低融点の樹脂の酸素指数 (消防法施行令記載法 )】
各酸素濃度による燃焼率が増大し始めてから、ほぼ一定の値となるまでの範囲について、試験を繰り返し、その後、燃焼率の最大一定値(最大燃焼率)を用い、それぞれの換算燃焼率(%)を求めます。
得られた換算燃焼率と酸素濃度の関係を図上にプロットして最も適合するS字曲線を当てはめ、換算燃焼率が50%となる酸素濃度をもって、その試料の酸素指数とします。
下の燃焼円筒内配置の図のようにガラス円筒内に石英の小皿を支持台の上にセットします。小皿に質量を測定した試料(粉粒状、低融点の樹脂)を盛りその上面を垂直試験片の点火と同じように点火します。試験後、質量を測定します。