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事業案内
■セタ密閉式引火点測定
概要
セタ密閉式(迅速平衡密閉法)引火点測定
引火点とは規定条件下で引火源を試料蒸気に近づけたとき、試料蒸気が閃光を発して瞬間的に燃焼し、かつその炎が液面上を伝ぱする試料の最低温度を101.3 kPaの値に気圧補正した温度となります。
JIS K 2265-2では引火点が-30 ℃~300 ℃の石油、塗料(水性塗料を含む)、ワニス、塗料バインダー、接着剤、溶剤、脂肪酸メチルエステル及びこれらの関連製品の引火点を求める方法として規定されています。
消防法危険物判定では第2類(可燃性固体)および第4類(引火性液体)でセタ密閉式引火点測定器での試験が求められています。
測定方法
(JIS K 2265-2)
①設定温度に達した試料カップに約2ml試料を投入する。(引火点100.5 ℃以上は4 ml)
②1分間保持する。(引火点100.5 ℃以上は2分間)
③規定の時間に達したら4 mmの試験炎を試料カップを開けて2~3秒のぞかせる。
④引火がある場合は自動で計測される。
⑤引火が確認される最低温度を1 ℃(0.5 ℃)単位で探し、引火点n=2の試験とする。
(第2類)
①設定温度に達した試料カップに約2g試料を投入する。
②5分間保持する。
③規定の時間に達したら4 mmの試験炎を試料カップを開けて2.5秒のぞかせる。
④引火がある場合は自動で計測される。
⑤引火が確認される最低温度を0.5 ℃単位で探し、引火点n=2の試験とする。
(第4類)
①設定温度に達した試料カップに約2ml試料を投入する。
②1分間保持する。
③規定の時間に達したら4 mmの試験炎を試料カップを開けて2.5秒のぞかせる。
④引火がある場合は自動で計測される。
⑤引火が確認される最低温度を0.5 ℃単位で探し、引火点n=2の試験とする。
測定装置 | スタンホープ セタ社製 セタフラッシュ 33000-0形 |
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測定可能温度範囲 | 30 ℃~300 ℃ |
引火源 | ガス試験炎 |
試料必要量 | 50ml以上 |
セタ密閉式引火点試験器外観
参考資料
JIS K 2265-2:
石油、塗料、ワニス、液体バインダー、接着剤、溶剤、脂肪酸メチルエステルを対象とした液体~固体の測定方法となる。
第2類(可燃性固体):
①硫化りん、②赤りん、③硫黄、④鉄粉、⑤金属粉、⑥マグネシウム、⑦その他法令で定めるもの
40 ℃未満は引火性固体となる。
なお40℃以上の引火点で所定の条件を満たせば非危険物となりますが、指定可燃物の規制を受ける場合は、指定可燃物の確認試験が必要となる場合があります。
第4類(引火性液体):
①特殊引火物、②第一石油類、③アルコール類、④第二石油類、⑤第三石油類、⑥第四石油類、⑦動植物油類
引火点が0 ℃以上80 ℃以下で、動粘度が10cSt以上である場合は当装置を使用する。
(それ以外はタグ密閉式およびクリーブランド開放式を使用する)
引火点の種類 | 引火温度の試験方法 | 規格番号 | 適用基準 |
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密閉式引火点 | タグ密閉式 | JIS K 2265-1 ASTM D56 |
引火点が93 ℃以下の石油製品 |
セタ密閉式 | JIS K 2265-2 ISO 3679 ASTM D3278, D3828 |
引火点が―30℃~300℃の石油、塗料、ワニス、塗料バインダー、接着剤、溶剤、脂肪酸メチルエステル | |
ペンスキーマルテンス密閉式 | JIS K 2265-3 ISO 2719 ASTM D93 |
引火点が40 ℃を超える可燃性液体、固体懸濁物を含む液体、表面に薄膜が出来やすい液体 | |
開放式引火点 | クリーブランド開放式 | JIS K 2265-4 ISO 2592 ASTM D92 |
引火温度が79 ℃を超える石油製品 |
発火点 | ― | ASTM E659 | 液体状の試料 |