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■ゴム・エラストマーの圧縮永久ひずみ測定
圧縮永久ひずみとは、JIS K 6262の「加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの常温・高温及び低温における圧縮永久ひずみの求め方」に基づき、材料を圧縮板によって規定の割合で圧縮し、ある温度環境下に保持することで、永久ひずみを測定し、へたり性を求めるために行うものです。
試験方法
1. 標準温度(23±2℃)において試験片中央部の厚さを測定しておきます。
2. 試料を圧縮板(平滑なステンレス鋼板)に置き、規定のスペーサを試験片の外側に挟みます(写真1)。その後、圧縮板がスペーサに密着するまで圧縮させます。
3. 装置(冶具)(写真2)を、試験温度の恒温槽の中で試験時間保持します(写真3)。
4. 試験時間が経過したら、圧縮した装置を取り出し、直ちに圧縮状態から解放し、標準温度にて30分放置した後に試験片中央部の厚さを測定します。
このように、試験前後の試験片の厚さを比較することで、圧縮永久ひずみ(%)を求めることができます。
【圧縮永久ひずみ算出式】
I )常温及び高温試験
CS:圧縮永久ひずみ(%)
t0 :試験片の元の厚さ(mm)
t1 :スペーサの厚さ(mm)
t2 :圧縮装置から取外し、30分後の試験片の厚さ(mm)
II )低温試験
CSLX:低温圧縮永久ひずみ(%)
t0 :試験片の元の厚さ(mm)
t1 :スペーサの厚さ(mm)
tX :圧縮装置から取外し、X秒後の試験片の厚さ(mm)
※通常、10秒後(CSL10)及び1800秒後(CSL1800)の復元時間で算出する。
試験片を圧縮する割合は、スペーサの厚さを調整することで10%、15%、25%で行うことができます(表1参照)。試験片を圧縮する割合は、試験片の硬さによって表2から選択します。ただし、結晶化の研究を行う場合には圧縮する割合が(25±1)%になるよう、スペーサを選択します。試験片の形状については、表3を参考にして下さい。
試験片を圧縮する割合 % | スペーサの厚さ mm | |
---|---|---|
大形試験片 | 小形試験片 | |
25 | 9.3~9.4 | 4.7~4.8 |
15 | 10.6~10.7 | 5.3~5.4 |
10 | 11.25~11.30 | 5.65~5.70 |
試験片の硬さ IRHD | 試験片を圧縮する割合 % |
---|---|
10~79 | 25 |
80~89 | 15 |
90~95 | 10 |
形状 | 主要寸法 | |
---|---|---|
直径 | 厚さ | |
大形試験片 | 29.0±0.5 | 12.5±0.5 |
小形試験片 | 13.0±0.5 | 6.3±0.3 |
【One Point Lesson】
近年、熱可塑性エラストマーが、加工のしやすさ(熱可塑性樹脂と同様な加工性)、リサイクル問題から、加硫ゴムの市場に進出してきています。そこで、問題になるのが、圧縮永久ひずみ(へたり性)で、従来は、加硫ゴムに比べて熱可塑性エラストマーは、圧縮永久ひずみが大きいことがネックになっていました。