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真空環境下におけるアウトガス測定


樹脂などの高分子材料は、真空環境下において微量の揮発成分(アウトガス)を放出することがあります。
放出された成分がレンズやセンサ、ミラーなどの光学部品表面へ凝縮・堆積すると、光学性能やセンサ性能の低下を引き起こすほか、他材料との反応による製品汚染や真空環境の維持に影響を及ぼす場合があります。
このため、航空・宇宙分野をはじめ、半導体製造装置や医療機器など、高い清浄度が要求される分野では、材料のアウトガス特性が重要な評価項目となっています。
DJKでは、真空環境下におけるアウトガス試験を実績豊富な海外ISO/IEC 17025認定試験所へ委託しています。

ASTM E595 真空環境下におけるアウトガス測定
ASTM E595は、宇宙機器用材料のスクリーニング試験として広く採用されているアウトガス評価規格です。
本試験では、主に以下の2項目を評価します。
●TML(Total Mass Loss:総質量損失)
●CVCM(Collected Volatile Condensable Material:揮発性凝縮物質質量比)

特に宇宙機器や光学機器では、材料から放出された揮発成分がレンズ、センサ、太陽電池パネルなどの表面へ凝縮することで性能低下を引き起こす可能性があるため、CVCMが重要な評価指標となります。
任意でWVR(再吸水量比)およびRML(補正質量損失)を算出することで、水分由来の質量変化を補正し、材料から放出された有機揮発成分の実質的な質量損失を評価できます。

表1 試験条件
項目 条件
試験片 1.5~3.0(mm)の立方体
真空圧力 5 × 10⁻⁵ Torr以下(7 × 10⁻³ Pa以下)
試験温度 125℃
試験時間 24時間
コレクタ温度 25℃

 

表2 用語の定義
用語 単位 定義 NASA
スクリーニング基準
総質量損失(TML) % 試験中に試料から失われた総質量比 ≤1.00%
揮発性凝縮物質質量比(CVCM) % 蒸発した成分のうち、冷却面に凝縮したガス放出物質の質量比 ≤0.10%
再吸水量比(WVR) % 試験が終了し、状態調整後に試料が吸収した水蒸気の質量比
補正質量損失(RML) % TMLよりWVRを差し引いた質量損失比



試料から放出された揮発成分のすべてがコレクタ(凝縮板)で凝縮するわけではないため、下記の通りそれぞれのスクリーニング基準を定めています。
●総質量損失(TML):試料から放出される揮発成分の総量
●揮発性凝縮物質質量比(CVCM):室温付近の冷却面で凝縮し、光学部品や精密機器を汚染する可能性のある成分


ASTM E1559 アウトガスレート測定
ASTM E1559は水晶振動子微量天秤(QCM:Quartz Crystal Microbalance)を用いて、材料から放出された揮発成分の放出速度および堆積挙動を測定する試験です。
真空環境下で試料から放出されたアウトガスを異なる温度に設定した複数のQCMで捕集・測定することにより、各成分がどの温度で、またどの程度の速度で堆積するかを評価できます。

ASTM E595が材料のアウトガス特性をスクリーニングするための試験であるのに対し、ASTM E1559は実際の使用環境を想定しながら、放出ガスの時間変化や、任意の温度での堆積量を評価できることが特徴です。
例えば、放出開始からの時間変化・温度ごとの堆積量・堆積速度・温度依存性などを把握できるため、宇宙機器や光学機器、半導体製造装置など、汚染管理が重要な製品の材料評価に活用されています。

ASTM E1559には、標準条件で評価するMethod Aと、用途に応じて試験条件を変更できるMethod Bが規定されています。
Method Bでは、QCM温度や試験条件を変更することで、実際の使用環境に近い条件で評価を行うことが可能です。

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