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危険物判定(第四類 引火性液体)

概要

総務省消防庁が定める「第4類及び指定可燃物判断フローチャート」に従い、各種試験を実施します。
試験結果は消防庁の危険物データベースへ登録が可能です。
消防法別表第一の第四類の項の品目に掲げる物質で、引火性液体の性質を有するもので、「表1 危険物第四類の品名と指定数量」を品名毎に主な該当品を示します。
規定以上の危険物・指定可燃物の貯蔵、または取扱い開始をする場合には消防署への届け出が必要になります。

燃焼の難易さ・容易さ

燃焼が容易となる条件として、一般的に下記のものが挙げられる。
・酸化されやすい(燃焼の3要素:可燃物・酸素・熱源)
・空気との接触面積が大きい(粉末等、表面積が大きいと酸素との接触機会が増える)
・熱伝導率が小さい(溜まった熱が逃げにくくなる)
・熱慣性が小さい(熱慣性=√(熱伝導率×容積密度×比熱) )
・発熱量が大きい(引火点よりも高い発火点を超えて燃焼継続しやすい)
・乾燥している(水分があれば水が蒸発する際に熱を奪うので燃焼しにくい)
・可燃性ガスが発生しやすい(空気と混合して酸化が進みやすい)
・周囲の温度が高い(燃焼の点火源は火花だけではなく熱も影響する)

危険物確認試験の概略

試験項目 測定される危険性 試験法概略
液状確認 注1 20℃又は40℃までで液状かの判断
引火点 引火の危険性 タグセタ密閉式クリーブランド開放式引火点測定器で確認
動粘度 引火点が0℃以上80℃以下の場合測定
可燃性液体量 注2 可燃性液体含有の危険性 引火点が100℃未満は加熱残分で、100℃以上の場合は減圧蒸留により可燃性液体の含有率を測定
沸点 注3 可燃性蒸気の発生の危険性 液体が気化し気体が冷却され液体に戻る挙動が一定速度で行われる温度を測定
燃焼点 燃焼継続の危険性 5秒以上燃焼が継続する最低温度を測定
発火点 注3 自然に燃え出す危険性 加熱した丸底フラスコ内で発火する最低温度を測定
水溶性確認 難消火の危険性 水と同量混合させ、水と均一に混合するかを測定

注1 常温で他の容器に容易に移し替えが出来る場合は、液状確認試験を省略できる。
注2 既知の成分の場合、可燃性液体量の試験は省略できる。また可燃性液体量が40 %以上のものは、燃焼点測定の必要はない。
注3 特殊引火物を含まない場合、沸点と発火点の試験の必要はない。

※チャートをクリックすると拡大されます。

表1 危険物第四類の品名と指定数量
種別 性質 品名 品名に該当する物品 構造等 性質 指定数量
第四類 引火性液体 1 特殊引火物 ジエチルエーテル C2H5OC2H5 注1 特殊引火物 50l
二硫化炭素 CS2 注1
アセトアルデヒド CH3CHO
酸化プロピレン CH2CHOCH2
2 第一石油類 ガソリン JIS K 2202, 2201 注1 第一石油類
(非水溶性)
200l
ベンゼン C6H6
トルエン C6H6CH3
メチルエチルケトン CH3COC2H5
酢酸エチル CH3COOC2H5
アセトン CH3COCH3 注1 第一石油類
(水溶性)
400l
ピリジン C5H5N
3 アルコール類 メチルアルコール CH3OH アルコール類 400l
エチルアルコール C2H5OH
n-プロピルアルコール C3H7OH
イソプロピルアルコール (CH3)2CHOH
4 第二石油類 灯油 JIS K 2203 注1 第二石油類
(非水溶性)
1000l
軽油 JIS K 2204 注1
キシレン C6H4(CH3)2
クロロベンゼン C6H5Cl
n-ブチルアルコール CH3(CH2)3OH
酢酸 CH3COOH 第二石油類
(水溶性)
2000l
プロピオン酸 CH3CH2COOH
アクリル酸 CH2=CHCOOH
5 第三石油類 重油 JIS K 2205 注1 第三石油類
(非水溶性)
2000l
クレオソート油
アニリン C6H5NH2
ニトロベンゼン C6H5NO2
エチレングリコール C2H4(OH)2 第三石油類
(水溶性)
4000l
グリセリン C3H5(OH)3
6 第四石油類 ギヤー油 JIS K 2219 注1 第四石油類 6000l
シリンダー油 JIS K 2238 注1
タービン油
可塑剤
7 動植物油類 ヤシ油 コプラから採取 動植物油類 10000l
パーム油
オリーブ油
ヒマシ油
落花生油
ナタネ油
米ぬか油
ゴマ油
綿実油 綿の種子から採取
トウモロコシ油
ニシン油
大豆油
ヒマワリ油
キシ油
イワシ油
アマニ油
エノ油 エゴマから採取

注1 確認試験を実施する必要はない。

計算式


指定数量については、指定数量の倍数を規制基準としており計算式は下記の通りです。

危険物の貯蔵・取扱量(L)/危険物の指定数量(L)=指定数量の倍数


分類の異なる危険物第四類を2つ以上の貯蔵・取扱う場合は、それぞれの分類で指定数量の倍数を計算し合計します。
※危険物の貯蔵・取扱量が質量(kg)の場合は、質量(kg)/密度(kg/L)で体積(L)に換算し、指定数量の倍数を計算します。

指定数量の倍数による規制の違い


危険物の貯蔵・取扱量により規制や遵守すべき内容が異なります。

※指定数量の1倍以上の場合


消防法の規制を受けます。「指定数量以上の危険物は、貯蔵所(車両に固定されたタンクにおいて危険物を貯蔵し、又は取り扱う貯蔵所(以下「移動タンク貯蔵所」という。)を含む。以下同じ。)以外の場所でこれを貯蔵し、又は製造所、貯蔵所及び取扱所以外の場所でこれを取り扱ってはならない。ただし、所轄 消防長又は消防署長の承認を受けて指定数量以上の危険物を、十日以内の期間、仮に貯蔵し、又は取り扱う場合は、この限りでない。」(法律第百八十六号第十条より)と規定されています。

※指定数量の1/5倍以上指定数量(1倍)未満の場合(少量危険物)


少量危険物として各市町村条例の規制を受けます。貯蔵または取扱いについては市町村条例で技術上の基準が定められており、消防署長への届け出や事故防止に必要な処置を講じることが義務付けられています。

※指定数量の1/5倍(0.2倍)未満の場合


各市町村条例の規制を受けず、消防署への届け出も不要です。
 (火災予防条例の遵守は必要です)

注)出典元;総務省消防庁 確認試験の概要

https://www.fdma.go.jp/relocation/kasai_yobo/about_shiken_unpan/kakuninkiken.html