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7.Biodegradation(生分解度)

※DJKでは生分解性材料の試験委託と海外認証取得の申請サポートを行っております。

ISO 14855-1,-2 (JIS K 6953-1,-2, ASTM D5338)

原理: 有機物は酸素が存在する好気的環境下で微生物により、二酸化炭素、水、無機塩、新しいバイオマスに分解される。従って二酸化炭素発生量から生分解度を推定できる。

本規格は、Industrial Composting(コンポスト工場)を模擬した条件下で、都市ごみの固形廃棄物の有機成分をコンポストとして用い、高温(58℃)にて生分解試験を行い、二酸化炭素発生量から理論的発生二酸化炭素(ThCO2)の比として生分解度を求める。試験方法には下記の方法がある。

ISO 14855-1: 制御されたコンポスト条件下の好気的究極生分解度の求め方-発生二酸化炭素の測定による方法-第1部-一般的方法

ISO 14855-2: 制御されたコンポスト条件下の好気的究極生分解度の求め方-発生二酸化炭素の測定による方法-第2部-実験室規模における発生二酸化炭素の質量測定方法

◎OWSでは生分解度はISO 14855-1の試験方法にて測定している。ISO 14855-2は、生分解により発生する二酸化炭素をソーダ石灰およびタルク担持水酸化ナトリウムを充填した吸収筒で吸収させ、その質量増加により二酸化炭素の量を求め、生分解度を求める方法である。

オーブン
生分解度試験 58℃オーブン中

 

ISO 14855-1,-2の要求項目

ISO 14855-1
試験温度 58±2 ℃
試験期間 標準45日、最大6ヶ月まで延長可能
対照材料 微結晶セルロース(粒径20μm以下)
コンポスト化容器 最少 2L(ガラスフラスコ)
空気供給装置 CO2を除去するためNaOH水溶液を通す。
酸素濃度:6%以上を維持する。
植種源
inoculum
好気的コンポスト工場から採取したもの金属、ガラス、石等の不活性物質は除去
フルイ:5mm~10mmの篩パスしたもの
熟成期間:2ヶ月~4ヶ月
全乾燥固形物量: 50%~55%(水分率45~50%)
*必要に応じて水分量は調整する。
揮発性固形物量: 全乾燥固形物量の30%以上、pH:7.0~9.0
その他のパラメータ:全有機炭素量(TOC)、全窒素、脂肪酸を測定しておく。
●完熟コンポストの代わりに活性バーミキュライトを使用することもある。(プライミング効果を減少させることができる。)
活性確認(試験結果の正当性、3項目とも必要条件)
①空試験で最初の10日間で揮発性固形物1g当たり、CO2発生量が50mg~150mgの間にあること。
②対照材料の生分解度が45日後に70%以上あること。
③対照材料の3個の生分解度偏差が20%以下
試験材料 形状:原則顆粒状、粉状、フィルム
CO2 発生量測定のために十分な有機炭素が必要、容器当たり50gの全乾燥固形物(20g-TOC)が必要
試験容器
(コンポスト化容器)
試験材料用容器 3個
対照材料用容器 3個
空試験用容器  3個
配合割合 コンポスト化容器の3/4(体積)を混合物で満たす。(振とうするための頭部空隙が必要)
標準配合: 約3Lのコンポスト化容器において(規定2L以上)
植種源;600g(全乾燥固形物として)
試験材料;100g(全乾燥固形物として)
*空試験では同量の植種源のみ
混合後、水分量を50%に調整する。
混合物のC/N比は10~40(有機炭素/窒素)に調整するのが望ましい。必要なら尿素で調整する。
二酸化炭素量の
測定方法
CO2測定は、下記の3つの方法があり、CO2発生量に合わせて、適宜選択する。
・ガスクロマトグラフ
・TOC計 or FT-IR
・NaOH水溶液に吸収させて溶存無機炭素(DIC)として測定
測定間隔: 初期生分解期…6h毎(1日2回)、定常期…1日1回
振とう: 1週間1回
水分量:50%を維持していることをチェックする
pH:7.0より低い場合、微生物の活性が阻害されている可能性あり。コンポスト化容器の中身の酸性度確認のために揮発性脂肪酸の量を測定する。全乾燥固形物1kg当たり2g以上の揮発性脂肪酸が生成されている場合は試験無効。
生分解度算出 ThCO2=MToT×CToT×44/12 [ThCO2:理論上のCO2発生量]
MToT:コンポスト化容器に入れられた試験材料の乾燥固形物量(g)
CToT:試験材料の乾燥固形物中の全有機炭素(TOC)相対量(g/g)
(化学式または元素分析(TOC測定)から求めた試料中の炭素含有量の質量比)
44/12:CO2 の分子量およびCの原子量
D1= (CO2)T – (CO2)B / ThCO2 x 100
D1:生分解度(%)
(CO2)T:コンポスト容器から排出された積算CO2発生量(g)
(CO2)B:空試験容器から排出された積算CO2発生量(g)

全乾燥固形物(TS):試料を105℃で乾燥して一定質量になったときの固形物
揮発性固形物(VS):全乾燥固形物-[全乾燥固形物を550℃で燃焼させた後の残渣]
(有機物は燃焼し無機物が残留する。揮発した有機物を固形物換算するという意味)。

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◎実際の測定では、試験材料入りとセルロースが入った対照材料との比較になります。

 

生分解性に関するページは以下のような構成になっています
1.DJKの生分解試験・認証に関するサービス
2.生分解性プラスチックとは
3.生分解性プラスチック認証とは
3-1.主な生分解材料と生分解可能な環境
3-2.バイオマスプラスチック
4.TUV AUSTRIAの認証種類
5.生分解性プラスチック総合規格
6.Chemical Characteristics(化学的特性)
7.Biodegradation(生分解度)<現在のページ>
8.The Degree of Disintegration(好気性崩壊度)
9.Ecotoxicity(環境毒性試験) Plants toxicity
10.JBPAの海洋生分解性プラ識別表示制度が認めている試験方法