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※DJKでは生分解性材料の試験委託と海外認証取得の申請サポートを行っております。

ISO 16929(JIS K 6952), ISO 20200(JIS K 6954)

原理: 好気性崩壊度測定にはISO 16929のパイロットスケール(140L以上)で実施する方法とISO 20200の実験室模擬コンポスト条件下(5L~20L)で実施する2つの方法がある。最大12週間のコンポスト化を行い、最後に目開き2mmのフルイでフルイ残りが10%以下であることがEN 13432の崩壊度の合格基準となっている。また、環境毒性試験がある場合はISO 16929のパイロットスケールでは、その培養コンポスト(堆肥)まで作製することも含む。
崩壊とは、物質が非常に小さい破片に崩れ、壊れる現象をいう。生分解は、有機物が微生物により、水と二酸化炭素に変化する現象のため、明確に区別している。

 

ISO 16929とISO 20200の要求項目

ISO 16929 (JIS K6952)  パイロットスケール好気性崩壊度測定
試験温度 コンポスト量が多いため、微生物活動により自発的に生分解が始まり、温度が上昇する。発熱が大きいと微生物活動が低下する恐れがある。
コンポスト化中の温度が下記のよう規定されている。
①最初の1週間は、最高温度が75℃未満、それ以降は65℃未満
②少なくとも1週間は、60℃を超える。
③少なくとも連続4週間は、40℃を超える。
試験期間 12週間
対照材料 コンポスト材料のみ (微結晶セルロースは用いない)
コンポスト化容器 140L以上
排水路:底に5cm以上の排水層
サンプルネット:1mm網目、20L以上、耐熱120℃以上、
生分解しない材料(紐も)
*中間時間で、ふるい分けをする時は、サンプルネットに適量の試料を入れておき、サンプルネットを取り出してふるい分けをして、再度戻すことができるため便利である。
植種源
inoculum
好気的コンポスト工場から採取したものがベターだが、人工の生物系廃棄物もOK。
人工コンポストの配合例
果実、野菜の廃棄物
完熟コンポスト
かさのある充填材(木くず等)
最大粒径50mm以下
水分率: 50%以上、かつ遊離水を含まない
*必要に応じて試験中は、水分量を調整する。
揮発性固形物量: 全乾燥固形物量の50%以上、pH:5以上
C/N比: 20~30(必要に応じて尿素で調整する)
試験材料 形状:フィルム10cm角以内
環境毒性用には500μm未満の粉末状を使用する。
試験容器 試験材料用容器 2組(環境毒性用サンプル作製を兼ねることが多い)
対照材料用容器 2組(試験材料を含まない植種源のみ)
環境毒性用 2組(兼用する時は実施しない)
配合割合 崩壊度測定…コンポスト材60kg+試料-1wt% (湿潤状態)
崩壊度+環境毒性用
…コンポスト材60kg+試料フィルム-1wt%+粉末9wt% (湿潤状態)
環境毒性用…コンポスト材60kg+試料-粉末10wt%
◎試料は正確に秤量し、良く混合してからコンポスト容器に入れる。
サンプルネットを使用した場合は、ネット口を強く縛り、容器に入れる。
切り返し 最初の4週間は週に1回、以後、2週間に1回。
サンプルネットを使用している場合は、ネットを開き混合する。
切り返し時は、湿度測定も行い水分量を調整する。さらに目視観察も行い、崩壊度、菌の繁殖状態を確認する。
ふるい方 ふるう量: 全量 or 50%以上 or サンプルネット全量。
フルイ10mm目開きから順に行い、5 mm目開き、最後に2mm目開きのフルイでふるう。フルイ残りの大きな塊は、注意深く崩す。それらを注意深く洗浄し、105℃で恒量になるまで乾燥する。
中間取出しでは、2mm以上のサンプルは戻し、試験を継続する。
試験中 通気:コンポスト化が障害なく進行するように通気を制御する。
試料内部の酸素濃度は10vol%以上を保つ。酸素濃度は最初の1ヶ月は週末以外は毎日1回、以後は週1回測定する。同時に温度も測定する。
通気量により温度および湿度を制御する。
腐熟度測定 腐熟度(Rottegrad)は、デュワー瓶にコンポスト化試料を満杯に入れて、自己発熱による試料中心温度と外気温度を測定し、その温度差を最高到達温度(Tmax)として求め、下記の区分がある。
腐熟度Ⅰ: Tmax > 60℃ (生分解開始初期)
腐熟度Ⅱ: Tmax > 50.1℃ ~ 60℃
腐熟度Ⅲ: Tmax > 40.1℃ ~ 50℃
腐熟度Ⅳ: Tmax > 30.1℃ ~ 40℃
腐熟度Ⅴ: Tmax ≤ 30℃ (完熟コンポスト 終了時の指標)
また、揮発性脂肪酸が500mg/kg未満であること。
崩壊度算出 D1 = (m1 – m2) / m1 × 100
D1:崩壊度 (質量分率%)
m1: 投入した試験材料の全乾燥固形物量(g)
m2: 2mmフルイをパスしなかった試料の全乾燥固形物量(g)
目視観察 切り返しのタイミングで10cm角のフィルム試料の外観を写真で記録するとともに、スライドホルダーに入れた試験片取り出し、目視観察用サンプルとして写真撮影および保管しておく。 参照写真

 

崩壊性試験
パイロットスケール崩壊性試験

 

分別作業
フルイ後の分別作業

 

スライドホルダー
崩壊性試験(スライドホルダーによる目視観察)

 

ISO 20200 (JIS K 6954) 実験室規模の模擬コンポスト条件下での好気性崩壊度測定
試験温度 ①高温培養
58±2 ℃ オーブン中
②中温培養
25±2 ℃ オーブン中
試験期間 ①45日~90日
高温培養90日で不十分な場合、②の
中温培養条件で延長してもよい。
②最大90日
対照材料 試験材料のみ
コンポスト化容器
個数
5L~20L 3個/試験材料毎
推奨30cm×20cm×10cm,PP製
水分蒸発を防ぐ蓋が必要、ただし、ガス交換の穴は必要
各側面φ5×2個
植種源
inoculum
合成コンポストの組成
乾燥質量(%)
おがくず 40
ラビットフード 30
完熟コンポスト 10
コーンスターチ 10
蔗糖 5
コーン油 4
尿素 1
合計 100

*おがくずは、未処理木材のおがくずを目開き4.75mmのフルイパスしたもの。落葉樹が望ましい。
ラビットフードは、アルフアルファおよび野菜ミールからなる商用製品を用いる。

完熟コンポスト: 好気的コンポスト工場から採取したものが望ましい。
金属、ガラス、石等の不活性物質は除去し、フルイ:5mm~10mmの篩パスしたもので、採取後4ヶ月以内のもの。
組成物は、乾燥質量として秤量し、手作業で混合後、水分量を調整する。全乾燥固形物量: 50%~55%(水分率45~50%)
C/N比:20~40(必要に応じて尿素で調整する)
*試験中は、必要に応じて水分量は調整する。(蒸留水等を用いる。)
◎中温培養条件に移行する時は、25gの肥沃な土壌(微生物活性が高く、有機物を数%含む)を加え、よく撹拌する。

試験材料 厚さにより形状を変える。
・5mm未満 : 25×25×t
・5mm以上 : 15×15×t(max15)
処理: 40℃の真空乾燥で恒量させ、配合前に蒸留水に30秒間浸漬させる。
配合割合 湿潤合成コンポスト1kg +試験材料5~20g (0.5~2%)
試験中 試料温度、オーブン温度を連続して測定する。
定められた間隔で、質量測定、撹拌、水分調整を実施する。
最初の1ヶ月は初期質量を維持させるように水分を追加し、生分解による質量減少を見込んで、60日までは初期質量の80%維持、60日後は初期質量の70%維持するように水分を追加する。
*中温培養条件に移行した時は、1週間に1回、質量を測定し、初期質量の70%維持するように水分を追加する。
観察
臭い
外観
臭い: コンポスト化プロセス中は、明確で特異な臭いの変化を検知できる。試験開始後2、3日後までは酸っぱい臭いがする。5~10日後に徐々にアンモニア臭に変わり、10日位続く。その後、生分解が終了すると無臭になる。
外観: 合成コンポストに菌糸が発生するのが観察される。通常、開始後1週間後。また、おがくずは、最初は黄色であるが、次第に褐色に変化する。内容物外観を写真で記録するとともに、試料がフィルムの場合、スライドホルダーに入れた試験片取り出し、目視観察用サンプルとして写真撮影および保管しておく。
崩壊度算出 D1 = (m1 – m2) / m1 × 100
D1:崩壊度 (質量分率%)
m1: 投入した試験材料の全乾燥固形物量(g)
m2: 2mmフルイをパスしなかった試料の全乾燥固形物量(g)
化学分析 C/N比、pH, TS, VSを測定する。

 

生分解性に関するページは以下のような構成になっています
1.DJKの生分解試験・認証に関するサービス
2.生分解性プラスチックとは
3.生分解性プラスチック認証とは
3-1.主な生分解材料と生分解可能な環境
3-2.バイオマスプラスチック
4.TUV AUSTRIAの認証種類
5.生分解性プラスチック総合規格
6.Chemical Characteristics(化学的特性)
7.Biodegradation(生分解度)
8.The Degree of Disintegration(好気性崩壊度)<現在のページ>
9.Ecotoxicity(環境毒性試験) Plants toxicity
10.JBPAの海洋生分解性プラ識別表示制度が認めている試験方法